2006年10月のお仕事
「新しい住まいの設計」12月号は、
すっかり定番企画となった「ローコスト住宅」。
このテーマ、バブル期以前の住宅誌にもあったんだろうか。
ちょいと遡って確かめてみたくなりました。
私が初めてこの手の企画を手掛けたのは、
たぶん、バブル崩壊後まもない頃のリクルート「月刊ハウジング」。
当時のお題は「2000万円台」だったけど、
それでも事例探しにはずいぶん苦労したものでした。
さて、今回「1000万円台でシンプルな箱の家」で取材した家は
宮崎の気鋭の若手蒲牟田健作さん、
前号に引き続き石川淳さん、
「木箱の家」でお馴染みの葛西潔さん、
かつて「リフォームの匠」としても名を馳せた瀬野和広さんの4軒。
建築家が1000万円台の家を建てるなんて、
かつては考えられなかったと思うけど。
今はわりと当たり前です。
「建築費だけで予算1500万円あれば、
特に“ローコスト”とは思わないですね」
という同じ台詞を、何人かの建築家の口から聞きました。
うーむ。
ローコストゆえのおもしろさもあるし、
ローコストでもかっこよかったりする。
よろしかったら、ぜひ誌面を。
日経アーキテクチュアの連載「close up住宅」では
杉浦英一さんの「立体・田の字の家」を取材。
「階」の概念のない、螺旋状のフロア構成もおもしろいけれど、
なんといっても驚きはテント生地の屋根。
ほんのり光る膜に覆われているような感覚です。
実は雨の音がうるさかったりするそうですが、
「それもおもしろがれればいい」と、
さらっと語る建て主ご夫妻が素敵でした。
「EXE」連載「アート」では
タカ・イシイギャラリーの石井孝之さんにインタビュー。
アートシーンでは、「写真」はわりと
メジャーな位置にあるような気がしていたけれど、
マーケット(特に日本の)では冷遇されてきたらしい。
意外でもあり、「なるほど」とも思い。
動画もあって、デジタルも普及して、では、これから写真は・・・?
表現の手段にこだわることに、もう意味はないのかもしれないけれど。