「手建職」(「CONFORT」06年12月号)
コンフォルト12月号に載っていた、
大阪・羽曳野の塗料やさん「ナカジマ」の話がおもしろかった。
記事は「インテリアに効く色」という特集の一部で、
だから本題は、ベンガラ塗り初め、顔料についてなんだけど
それよりも、主人・中島留彦さんの思い出話が味わい深い。
かつて羽曳野一帯には
「てったい」=「手建職」という職人さんがいて、
ベンガラを塗ったり木舞を編んだりといった、
大工の手元仕事やその指導にあたったのだとか。
「指導」とは、
その家の家族や近所の人に塗り方を教えるってことで、
家を建てるときには、みんな総出で木材の色付けをしたわけです。
どんな昔のことかと思って読み進めると、
中島さんはまだ47歳。
そのお父さんが「てったい」だったというから
せいぜい数十年前のお話です。
ほんのちょっと前まで、
日本人はこんな家づくりをしていたんですね。
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Comments
こんにちは、高木良子です。
時代の流れでベンガラを洗わなくてはならなかった頃は本当に中島さんもお辛かっただろう・・・と思いました。一方、最近ベンガラを塗りなおした築100年の農家を見せていただいたら、新しい部分も古い部分もなんとも言えずやはり美しい。深みを感じさせる塗りの技術は中島さんならではなのだと思いました。
月並みですが・・・土地が育むものって本当にすばらしいですね。
それ以来、ベンガラではありませんが、わたしも家の壁に柿渋を塗ってみました。
3週間くらい、あのタンニンの独特のにおいがただよい、その臭さがより一層わたしをその気にさせてくれました^^
Posted by: 高木良子 | Sunday, 10 December 2006 10:11 PM
高木さん、お久しぶりです。
コメントありがとうございました。
すると、高木さんは中島さんを取材なさったのでしょうか。
柿渋もいいですね・・・。
ご自宅建設なさったんですよね。
またブログにお邪魔します。
Posted by: 萩原詩子 | Sunday, 10 December 2006 10:43 PM
こんにちは。中島さんのところには『素材建材ハンドブック』の塗料編
を書かせていただくのに取材をさせていただきに行きました。
あのあたりは菜種油の採れる場所で、江戸時代から塗料の油として
使われていたそうです。他の地方だったら、菜種油だなんて
とても高級でしたでしょうに!
私は自分の家を建てるのに土地の素材を使うという頭がなかったので、
これから家がエイジングされていくときにはそういう部分が
味に関係してくるんだなぁ・・・としみじみ思いました。
そういえば、現在出ているMyHOME+に我が家掲載していただきました。
オールレヴューの方でもちょっと載せていただき感謝です。
(家の名前がちょっと間違っていたけど・・・^^;)
Posted by: 高木良子 | Friday, 15 December 2006 11:13 PM
高木さん、コメントありがとうございます。
それで菜種油だったんですね。勉強になりました。
土地土地の素材を使うことも、
昔は当たり前のことだったんでしょうにね。
伝統的な家づくりに現れる地方色、
奥が深そうです。
Posted by: 萩原詩子 | Saturday, 16 December 2006 05:22 PM