あたらしい教科書「住まい」
プチグラパブリッシングという出版社から出ている
「あたらしい教科書」シリーズ、第10弾は「住まい」です。
挟み込みのパンフによれば、このシリーズは
「大人のための面白くてためになる、ファーストブック」だそうで
「雑貨」「本」「ことば」「定番」「広告」・・・と
シンプル、かつ大括りなテーマを、
コンパクトな四六判、144〜160ページの薄さで編もうという試みらしい。
見開き単位の編集、オールカラーのイマドキなデザインです。
とはいえ、テーマが大きすぎて迂遠にも感じられ、
果たして売れるのか、ちょっとギモン。
そこで、アマゾンのレビューを覗いてみたところ、
意外や評判はいいようです。
どうもこのシリーズのミソは「ファーストブック」と
いうところにあって、
「いまさら聞けない基本」に立ち返り、
そのジャンルの概観をつかむことが狙いのよう。
と考えると、たとえば10月に出たばかりの
「コンピューター」なんか、私も買った方がいいかも。
「説明しろ」と言われても説明できないのに
「知ったかぶり」してやり過ごしてることが、
たくさんある気がするから・・・
とかなんとか、以上のことは実際のシリーズ各書を
見ないままに書いてますので、あしからず。
で、やっと本題。
あたらしい教科書「住まい」です。
監修は、かつて
かの「リビングデザインセンターOZONE」で
企画に携わっておられた萩原修さん。
「9坪ハウス(スミレアオイハウス)」の建て主としても有名ですね。
内容はといえば、そこは「ファーストブック」だけあって、
「住まい」の原点に立ち返ろうとするかのような構成になっています。
たとえば、第1章は「住まいと行為」で
「おいしく食べる」「ぐっすりと眠る」「家事を楽しむ」・・・
などの項目が立つ。
ほか、「住まいと道具立て」(家具や雑貨、照明など)
「住まいと時間」「住まいと人」「住まいと場所」・・・と続く。
それぞれの項目は、
章毎に立てられた執筆者が一人称で読者に語りかける、
一話完結のエッセイ風の文章になっています。
だから、必ずしも本の最初からおしまいまで
通して読む必要はありません。
この本の使い方としては
(1)住まいをつくったり買ったりするとき、
どんなことを考えておくべきか、 見落としていることはないか、
をチェックするためのインデックスとして。
といっても、「契約」とか「税金」といった手順のチェックとは違います。
「自分の暮らしと住まいの関わり」という視点と思ってください。
(2)(1)で気になった項目を読んで、
自分なりに考えるためのきっかけにする。
筆者の意見を押しつけられることはありません。
巻末には、住まいの専門家リストやブックガイド、
映画やウェブサイト、住宅見学案内も。
私にとっては、「戦後住まいの年表」が今の関心にぴったりでした。
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