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ダーウィンの悪夢

話題の映画、「ダーウィンの悪夢」を観てきました。

重たいドキュメンタリーなのに、館内はかなりの入り。
単館ロードショーとしては動員数も多いようです。

内容は、

「ダーウィンの箱庭」と呼ばれる生命の宝庫、ヴィクトリア湖に
何者かが放った巨大魚、ナイルバーチが生態系を破壊し、

他方、その漁獲によって
周辺地域は苛烈な資本主義システムに巻き込まれ、
貧富の差の拡大や児童虐待、劣悪なドラッグや売春、
HIVなどの問題が蔓延している・・・・というもの。

現地のさまざまな立場の人々が語る、
一人称の、生の言葉をつないで構成されており、

ときどき、補足のために2,3行の字幕が差し挟まれる以外は
第3者が余計な解説を加えることはありません。

誰がナイルバーチを放ち、誰がその輸出を仕組んだのか、
探ったり糾弾したりすることもない。

でも、その映像は淡々としつつ凄まじい。

矛盾する表現のようですが、観た人ならばわかるはず。

いったいどうやって撮ったんだろう、
どうやってここまで入りこんだんだろう・・・。


グローバリゼーションの善悪を、軽々に論じることはできません。
この映画のメッセージも、一面的ではない。

ただ、私自身が知らないうちに、でも確かに関わっている、
生々しい現実が、目の前にどさりと重く、放り投げられたようでした。

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