マリー・アントワネット
ソフィア・コッポラのマリー・アントワネット。
男女で評価の分かれる映画、ではないかと思います。
そもそも、観客に男性が少ない。
映画は徹底してヒロイン・マリーの立場から描かれており、
女性ならばたやすく感情移入できるのでは。
「お局さま」とのやりとりや
子どもができないことを責められて苦しむ姿、
うさばらしに「お買い物」に走っちゃうところとか。
スケールは違っても、「わかるわかる」と思うはず。
画面いっぱいに溢れかえる愛らしく華やかな色彩、
テンポよく展開する絵画のようなシーン、
バックグラウンドに流れるポップな音楽。
それだけでも十分に楽しめます。
他方で、その斬新で豪奢な演出とは裏腹に、
マリー、そして夫・ルイ16世のキャラクターは
周囲の期待に懸命に応えようとする
従順でけなげな若者に描かれ、いとおしくて、哀しい。
彼らの目に映る「周囲」はあまりに狭かった。
映像は宮廷を出ることなく、破局は唐突に訪れますが、
マリーにとっては、ほんとにそんな感じだったかも。
と、言うことで、「女性には」、おすすめ。
男性には・・・ぜひ感想聞いてみたいです。
「12・映画&お芝居」カテゴリの記事
- 映画「未来をなぞる 写真家・畠山直哉」(2015.07.03)
- 映画「だれも知らない建築のはなし」(2015.04.16)
- 同世代が語る戦争ー「戦場でワルツを」(2010.01.09)
- 園子温監督「愛のむきだし」(2010.01.03)
- 「人は変われるものだと信じている」--映画『クリーン』(ネタバレあり)(2009.09.22)
The comments to this entry are closed.
Comments