バベル
連休最終夜の六本木ヒルズは、雨にもかかわらず混み合っていました。
ヒルズの中はところどころ露天なので、雨の日はちょっと歩きづらい。
それでも夕方早い時間には、いつも行列の南翔饅頭店にもすんなり入れ、
噂の小龍包を試すことができました。
確かに、悪くはない、が・・・私には、スープに溶けた肉の脂がややしつこい。
それより、ふつうの饅頭のほうがおいしいかも。
さて、軽く腹ごしらえしたあとは、
菊池凜子がアカデミー候補になったことで
一躍注目を集めた「バベル」を観てきました。
一発の銃撃がモロッコ、メキシコ、日本をまたぎ、
それぞれの運命を変えていく・・・という物語。
ドラマでは描かれない、数多くの登場人物たちのバックグラウンドを
わずかな台詞で伝える脚本がうまいなあ、
と思ったのは、物書き目線かもしれません。
主に「コミュニケーション」という視点から語られることが多いようですが、
いろんな見方が可能な映画です。
家族や愛情の物語に還元することもできるし、
さまざまな社会問題も含まれている。
なかでも私は、各国の登場人物がそれぞれ家族の一員を亡くし、
そのことへの責めを感じる物語に心動かされました。
けれども、
日本の物語については、ほかの物語との接点が希薄で
とってつけたような印象が否めません。
菊池凜子の演技が評判のヒロインの、
奇妙に性的な焦燥にも違和感を感じました。
一方の主役、ブラッド・ピットは状況が状況とはいえ、
最初から最後まで自分たちのことしか考えてない、
身勝手なアメリカ人に映る。
終幕、アメリカと日本のふたつの家族には
光明が兆しているようですが、
私には、負けず嫌いなモロッコ人の少年と
純朴だけれど気の短いメキシコ人青年の行く末ばかりが気になりました。
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