團菊祭
5月の歌舞伎座は、團菊祭です。
平日夜の部もそれなりの入りでした。
全部が楽しい演し物で、陽気な気分に浸れます。
最初の幕は「女暫」で、羽左衛門さんの追善狂言。
もう七回忌にもなるんですね。
息子さんの萬次郎 はヒロイン・巴御前が初役だとか。
最後の幕外の引き込み(本物の「暫」では六方を踏むところ)で
女形役者の素に戻っての、三津五郎との掛け合いが楽しい。
平成の三之助(もはや「助」は菊ちゃん一人だが)の
揃い踏みを見たのも久しぶりでした。
二幕目は所作事で、
松緑の「雨の五郎」と三津五郎の「三ツ面子守」。
天井から下がった柳の枝が恋文のようにも見える、
鳥の子紙風の書き割りがきれいです。
三津五郎が少女の役をやるなんて、初めて見たように思いますが、
(2階後ろの席から見る限り)可憐でもあり、気味悪くも・・・。
おかめ、恵比寿、ひょっとこのお面を付け替えて踊るんだけど、
お面を外した顔もまた、お面のように見えました。
メインは「神明恵和合取組」すなわち「め組の喧嘩」。
歯切れのいい江戸弁が爽快です。
品川、八つ山、浜松町・・・
とお馴染みの地名が並ぶのも嬉しくて、
江戸時代と地続きの町を生きている実感が。
主人公辰五郎は、いくつになっても枯れない菊五郎にはまり役。
團十郎・海老蔵 親子の相撲取り役もぴったりです。
でも終幕、梅玉は声が枯れていて締め切れなかった。
風邪かな喉かな。
大事にしていただきたいものです。
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