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「ロマンス」@世田谷パブリックシアター

こまつ座&シス・カンパニーの「ロマンス」

井上ひさしによるチェーホフの評伝劇です。


井上ひさしにもチェーホフにも、さほど深い関心はないのに、
なぜこのお芝居を観に行こうと思い立ったかというと、


それは、役者陣が魅力的だったからです。

大竹しのぶ、松たか子、段田安則、生瀬勝久・・・。

男性4人が主役チェーホフの少年時代から老年期までを交替で演じ、
大竹しのぶがチェーホフの妻、松たか子がチェーホフの妹と、
全員が主役を演じつつ、なおかつ脇役もこなす贅沢な配役。


・・・で、
井上ひさしにもチェーホフにも関心が深くない者にとって、
見どころは役者陣の演技に尽きました。


決して脚本が悪いという意味ではなく、
もしも井上ひさしやチェーホフの作品をよく知っていれば、
きっともっと深く理解できただろうになあ、ということ。


もちろん、予備知識なしでも十分楽しめました。

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肩胛骨回しでフェイスリフト

ヨガとおうち菜食の成果か、
このところだいぶ身体が絞れてきた実感があります。

すると今度は、顔のほうのたるみ、が気になってきたりして。

年齢を重ねたのだから当然だわ、
と達観できるほど人間が練れてないので

マッサージだの顔の筋トレだの、いろいろ無駄な抵抗を試みるわけですが、

あきらめが悪いわりに根気がないので続かない。

わかりやすい効果が出ないとモチベーションが保てません。


その点、studio yoggyの人気インストラクターkyoセンセイが
クラスに織り交ぜてくれるさまざまなTips(むくみ対策から虫さされ対策まで!)は
即効性があります。

フェイスリフト関連でもいくつか教えていただいたのですが、
先日のクラスのは特に簡単だったので、ここでご紹介しましょう。


1.まず、両足を揃えてまっすぐ立つ。

2.そこから、右足を一歩引く。このとき、足だけでなく、背骨を軸に半身引くようにする。

3.右腕をまっすぐ前に出す。

4.前に出した右腕を大きく後ろに回す。背骨を軸に、肩胛骨ごとぶんっと回す感じで。

5.肩胛骨から回す感じがつかめたら、そのままスピードアップして10回ほど回す。

6.左側も同じように繰り返す。


文章にするとめんどくさそうですが、要は、ほんの10回ずつ腕を振り回すだけです。
片方終わった時点で鏡を覗いてみてください。
回した方の顔半分がリフトアップしてるから。
頬だとわかりにくいですが、左右の目の高さが変わってるはずです。


お試しあれ。

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楽天不動産で連載始めました。

今年はなぜか集合住宅を取材する機会に恵まれています。

この夏も、デザイナーズ賃貸、コーポラティブハウス、
そしてコレクティブハウスと立て続け。
珍しく、分譲マンションも取材しました。

その資料として、R社(笑)のフリーマガジンを集めたり、
分譲マンションのパンフレットを取り寄せたりしていたところ、

今度は
「マンションの設備についての記事を書いて欲しい」
というご依頼をいただきました。

偶然とはいえ、与えられるテーマが連鎖するのはありがたいことです。
効率がいいし(笑)私自身の理解も深まる。

今週水曜日から掲載しています。
月1回更新・全3回の予定です。

楽天不動産「よくわかる住まい講座」

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八月納涼大歌舞伎@歌舞伎座

8月の歌舞伎座は、納涼大歌舞伎

いつもは昼夜二部制の歌舞伎ですが、
8月だけは三部制で、上演時間が短く、演目もいつもとひと味違う。
串田和美や野田秀樹、渡辺えり子などを起用したり。
中村屋の実験場、という印象もありますね。

上演時間が短いので、チケットも安い、はず、ですが、
今年は一等12000円。昔からこんなに高かったっけ?

と、思って改めてタイトルを見たら、
去年までの「納涼歌舞伎」が今年は「納涼“大”歌舞伎」に。
勘三郎さんを筆頭に、一座の格が上がったせいでしょうか。

もっとも、私はひとさまの株主優待に便乗してるので、
お代に文句を言う筋合いじゃないけど。


さて、私が観に行ったのは、
初日が開いて4日目の、お盆のさなか。第二部です。

演目は、山本周五郎原作の「ゆうれい貸屋」に
渡辺えり子作・演出の「新版舌切り雀」。

もう、歌舞伎役者が歌舞伎座で演じているという以外に
これを「歌舞伎」と呼ぶ理由はありませんな。

辰巳芸者の幽霊を演じる福助が、実に楽しそう。
福助は、こういう世話物の喜劇にはまります。

「舌切り雀」は、美術・加藤ちか、衣装・ひびのこずえで、
幕開け、おばさま(おばあさま?)方が
思わず「あら〜〜」と声を挙げるほど奇抜な舞台。

でも、どうやらぎりぎりまで脚本ができていなかったらしく
(当初のチラシには役名が印刷されてない)
演技も踊りも筋立ても、すべてがこなれていないカンジでした。

たぶん舞台数を重ねるにつれ、よくなるだろうと思うので、
そろそろ見頃(?)ではないでしょうか。

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スキン+ボーンズ@国立新美術館

スキン+ボーンズ。


骨と皮・・・じゃなくて表層と構造、というほどの意味でしょうか?

そういえば、最近、建築家はよく「スキン」という言葉を使いますね。
「ボーンズ」のほうは耳慣れないけれど・・・。

1980年代以降の建築とファッションをパラレルに見せるユニークな展示。
もとはロサンゼルス現代美術館(MOCA)の企画だそうです。

2つのジャンルの共通概念、
「アイデンティティ」「シェルター」「創造的なプロセス」に始まり、
形態を生み出す「幾何学」「ヴォリュームの構築」、
構成の技法として「スキンの構造化」「構築/脱構築/再構築」
「ドレープをつくる・畳む・吊る・はりだす・包む・
プリーツをつける・プリントする・織る」。
そして締め括りに「両者の融合」、

というテーマに沿って、建築とファッションを対比させます。

もっとも、両ジャンルに共通性があると言うには、
作品および出展作家が少ないように思えました。
もう少し厚みがあれば説得力が増したのに。

とはいえ、私にとっては
これまでほとんど知らなかったファッションの展示は驚きの連続。

イマドキのコレクションでは、
アート・パフォーマンスのようなショーが行われているんですねえ。

なかでも、難民や亡命をテーマにしたとされる
トルコ系キプロス人デザイナー・フセイン・チャラヤンの「アフターワーズ」
型紙も完成型も美しいイザベル・トレドの「キャタピラー・ドレス」
建築家エレナ・マンディーニがデザインした「カスタム・ドレス」が
印象に残りました。


会期最終日の会場は、平日午前にかかわらずそこそこの入り。

国立新美術館という場所柄か、客層も老若男女幅広く、
ふつうの建築展とはちょっと違う雰囲気でした。

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ソイベシャメルソース by 「VEGE BOOK」

野菜を手軽においしく、たくさん食べるには、
やっぱり和食が一番、と思います。

お豆腐や油揚げ、海草類などをプラスすれば、
植物性の材料だけで主菜も副菜も汁ものもできて、
わりと簡単に献立が組み立てられます。

でも、週末の夜は、ワインなど飲みながら
ゆっくり食事を楽しみたい。

ワインに合うメニューとなると、けっこう苦労するんですよね。

今の季節ならラタトュイユとかクスクス。
冬は野菜シチューに豆乳グラタンやパスタ・・・。

豆乳ベシャメルや豆腐マヨネーズも、
これまでいろんなレシピを試してきました。

どれもまずくはなかったけれど、
やっぱりバターや牛乳や卵でつくったものにはかなわない。


けれど、料理上手の友人が教えてくれたVEGE BOOK Eat Your Vegetables!

この本のディップ「トーフクリームチーズ」(マヨネーズ代わりに使える)と
「ソイベシャメルソース」は、ほんとおいしかった。

「トーフクリームチーズ」はたっぷりのにんにく
「ソイベシャメルソース」は玉ねぎ(パスタ5〜6人ぶんに3個も!)がポイント。

豆乳や豆腐の独特の「豆臭さ」が消えて、こくがでる。
オリーブオイルもたっぷり使うんですが、
そこは全植物性だから、食べ応えはあってももたれません。

続編のVEGE BOOK 2もおすすめ です。

どちらもカフェで出しているメニューなので、ワインとも相性がいい。

これまでジャマイカンシチューとクスクス、
スパイシー・シーウィードサラダ、
厚揚げとニラの甘辛炒め、ひよこ豆のカレー、
ジンジャー&レンティル・スープなどなどつくってみましたが、
どれもおいしかった。

肉食人種(笑)にもおおむね好評、と、思っています(勝手に)。



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「時光--蔡國強と資生堂」@資生堂ギャラリー

会期が長いとのんびり構えていたら、気付けば終幕が迫っていました(12日まで)。
滑り込みセーフ!

実のところ、外は猛暑だし、所詮小さなギャラリー展だし、
「もう、行かなくてもいいかなあ・・・」と思いかけていたのですが、

結論から言うと、

行って、よかった!!


火薬を用いた大がかりなインスタレーションで知られる、
蔡國強

ずっと気になっているアーティストです。

英字表記はCai Guo-Qiang、
カタカナでは「ツァイ・グオチャン」と書きますが
ご本人は日本語に堪能で(ほぼ10年日本で活動していました)
日本語インタビューでは「さいこくきょう」と発音していました。


彼の作品には、政治的社会的なメッセージがあります。

たとえば、WTCの在りし日、マンハッタンを背景に
小さなキノコ雲をつくって見せたパフォーマンスは
今、制作当時よりさらに、強い象徴性を帯びることになりました。

でも、それよりも何よりも、
数々のプロジェクトを記録した写真が、単純に美しいのです。

その美しさに、惹きつけられていました。


今回の展覧会のメインは、
「絵画に戻りつつある」(「ART iT」vol.11掲載のインタビューによる)と
語る蔡國強が、横浜のBankART NYKで制作した、「火薬ドローイング」です。

火薬を使って描いた、花鳥風月。

炎の痕跡なのに、どこか水墨にも似て、この上なく美しい。


しかも、小展示室で上映されているVTRで、過去のインスタレーション記録
(もちろん巨大な火薬パフォーマンスも!)を見ることができて大満足でした。


さらに、資生堂ギャラリーの最大の特徴である、
高い吹き抜け天井には、
99の金の小舟が、流れるように吊り下げられています。


宙をゆく、舟の行列。

先般の荒木珠奈さんといい、


なぜかこの夏の銀座には、
小さな夢の舟が行き交っています。

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フリーダム・ライターズ

「フリーダム・ライターズ」

実はこの映画、2カ月も前に試写で見たのですが、
レビューを書くとフライングになりそうなので控えていました。

メインのストーリーは、

ロス暴動後の荒みきった公立高校に赴任した、白人女性の新米教師エリンが
その熱意と努力でマイノリティの生徒たちの心に希望の火をともす・・・

というもの。

こう書くと、
教師と生徒の葛藤が描かれそうだけど
そのへんは意外とあっさりしていて、
荒んでいたはずの生徒たちは、割と素直にエリンに傾倒していきます。
これが実話と知らなければ「ちょっと出来過ぎじゃない?」と思ったかも。

それよりエリンが戦う相手は、制度や周りの先輩教師といった「オトナの世界」。

中でも個人的に気になっちゃったのは、
エリンと夫が離婚に至るまでのサイドストーリーでした。

離婚の原因は、エリンが仕事に夢中になるあまり
「僕の世話をしてくれない」とすねる
夫のワガママと見ることもできるけど、

私はこの旦那の気持ち、わかるなあ。

自分自身の社会的立場が不安定で、道に迷っているときに
パートナーである妻に、あれほど熱くゴリゴリ我が道を行かれたら、
嫉妬以前に、自分の不甲斐なさにいたたまれなくなるだろうと思う。

一方の「信念の人」エリンに、
彼の気持ちが理解できるかというと・・・

この齟齬を「愛」で乗り越えるのは、難しそうです。

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「錦繍」@天王洲 銀河劇場

天王洲。こういってはなんですが、微妙な街です。

バブルの残照、というイメージがあるよな、
と思って調べてみたら、

開発着手が1985年、天王洲アイル駅開通が1992年
ということで、まさに・・・。


その昔「アートスフィア」と呼ばれていた劇場が
いつの間にか「天王洲 銀河劇場」に変わっており、
その「オープン1周年記念」として現在上演中の
イギリス人演出家ジョン・ケアードによる「錦繍」

宮本輝の原作も、読んだ記憶があります。

チラシにいわく
「かつて夫と妻だった男と女の、
愛と再生の物語(ロマン、とルビ付き。)」

主人公の元夫婦を演じるのは鹿賀丈史と余喜美子。
さすがに達者で魅力的です。

助演陣もいい。

書簡体の原作を、そのまま朗読してるんじゃないか
(もちろんそんなことはない)と思うほど忠実な脚本。
それを、ほとんど出ずっぱりの俳優陣が
入れ替わり立ち替わり演じ朗読する演出もおもしろい。

3時間10分という長丁場を少しも飽きさせません。

「再生」のラストあたりでは、
私も思わずウルウルしかかりましたが・・・
(近ごろ寄る年波で涙もろいの。)


しかし、よくよく考えてみると

浮気男に、ずいぶんと都合のいいお話だし

立て続けに夫に裏切られる、苦難のヒロインも、
「もう結婚はしないわ」といいつつ、
結局は財力のあるパパが頼りのお嬢さま。

と、いうことに思い至り、ちょっとしらけちゃいました。


ま、それは原作の問題ね。
それでも、なおかつ、お芝居は見応えあります(いやホント)。

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