「錦繍」@天王洲 銀河劇場
天王洲。こういってはなんですが、微妙な街です。
バブルの残照、というイメージがあるよな、
と思って調べてみたら、
開発着手が1985年、天王洲アイル駅開通が1992年
ということで、まさに・・・。
その昔「アートスフィア」と呼ばれていた劇場が
いつの間にか「天王洲 銀河劇場」に変わっており、
その「オープン1周年記念」として現在上演中の
イギリス人演出家ジョン・ケアードによる「錦繍」。
宮本輝の原作も、読んだ記憶があります。
チラシにいわく
「かつて夫と妻だった男と女の、
愛と再生の物語(ロマン、とルビ付き。)」
主人公の元夫婦を演じるのは鹿賀丈史と余喜美子。
さすがに達者で魅力的です。
助演陣もいい。
書簡体の原作を、そのまま朗読してるんじゃないか
(もちろんそんなことはない)と思うほど忠実な脚本。
それを、ほとんど出ずっぱりの俳優陣が
入れ替わり立ち替わり演じ朗読する演出もおもしろい。
3時間10分という長丁場を少しも飽きさせません。
「再生」のラストあたりでは、
私も思わずウルウルしかかりましたが・・・
(近ごろ寄る年波で涙もろいの。)
しかし、よくよく考えてみると
浮気男に、ずいぶんと都合のいいお話だし
立て続けに夫に裏切られる、苦難のヒロインも、
「もう結婚はしないわ」といいつつ、
結局は財力のあるパパが頼りのお嬢さま。
と、いうことに思い至り、ちょっとしらけちゃいました。
ま、それは原作の問題ね。
それでも、なおかつ、お芝居は見応えあります(いやホント)。
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Comments
Hong Kong here.
I am a big fan of Teru Miyamoto and Kinshu is my favourite work. I am now reading his "Dream Street".
If possible can someone send me the promo-leaflet or brochure or poster of the play "Kinshu". So bad I couldn't see the play.
Tons of thanks in advance.
Blessings
Helen Sim
Posted by: H Sim | Wednesday, 22 August 2007 03:56 PM