フリーダム・ライターズ
実はこの映画、2カ月も前に試写で見たのですが、
レビューを書くとフライングになりそうなので控えていました。
メインのストーリーは、
ロス暴動後の荒みきった公立高校に赴任した、白人女性の新米教師エリンが
その熱意と努力でマイノリティの生徒たちの心に希望の火をともす・・・
というもの。
こう書くと、
教師と生徒の葛藤が描かれそうだけど
そのへんは意外とあっさりしていて、
荒んでいたはずの生徒たちは、割と素直にエリンに傾倒していきます。
これが実話と知らなければ「ちょっと出来過ぎじゃない?」と思ったかも。
それよりエリンが戦う相手は、制度や周りの先輩教師といった「オトナの世界」。
中でも個人的に気になっちゃったのは、
エリンと夫が離婚に至るまでのサイドストーリーでした。
離婚の原因は、エリンが仕事に夢中になるあまり
「僕の世話をしてくれない」とすねる
夫のワガママと見ることもできるけど、
私はこの旦那の気持ち、わかるなあ。
自分自身の社会的立場が不安定で、道に迷っているときに
パートナーである妻に、あれほど熱くゴリゴリ我が道を行かれたら、
嫉妬以前に、自分の不甲斐なさにいたたまれなくなるだろうと思う。
一方の「信念の人」エリンに、
彼の気持ちが理解できるかというと・・・
この齟齬を「愛」で乗り越えるのは、難しそうです。
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