安斎重男@国立新美術館
またしても、予備知識なしで出掛けてノックアウトされてしまいました。
国立新美術館で開催中の展覧会
安齊重男の
“私・写・録(パーソナル フォト アーカイブス)”1970-2006
仕事でライブラリーに行ったついでにふらり、と入ったら、もう出られない。
小1時間でちゃちゃっと見て帰るつもりだったのに・・・。
写真家・安斎重男が36年にわたって撮りためた日本のアート・シーン。
ホワイト・キューブの大きな壁いっぱいに貼り付けられた写真の、
その数と密度に、まず圧倒されます。
そして、そこからたちのぼる何ともいえないパワー。
1970年から始まる年表形式のディスプレイを順に追っていくと
日本の現代美術の歴史ドキュメンタリーを早送りで見るようです。
安斎重男という個人の目から見た歴史だから、
もちろん偏りはあるのですが、
同時に、個人の目を通しているからこそ、
ある一本の軸が通っているようにも感じられます。
個展会場でのオープニングパーティーのスナップのように
ほんとに「パーソナル」な印象の写真もあれば、
テンポラリーなインスタレーションやパフォーマンスなど
記録として貴重な写真も数々。
同時代だけに、
各年の写真に自分の記憶を重ね合わせる
(というか、引きずり出される)楽しみもあります。
今はもうなくなってしまった西武美術館や佐賀町エキジビットスペース、
水戸芸術館や直島コンテンポラリーアートミュージアムが開館した頃
横浜トリエンナーレや越後妻有アートトリエンナーレ。
もちろん発見もたくさんあります。
私にとっては、たとえば
「ダニエル・ビュランは1970年にすでに東京にストライプひいてたのか!」
ってことでした。
もう何年も買わずにすませていた図録も購入。
どうもこのところ、日本のコンテンポラリー・アートの、歴史、
のようなものにつかまっています。
この項続く。
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