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六本木アートナイト

日没から日の出までが「コアタイム」のアートイベント。
20時の待ち合わせのため赤坂から六本木に向かったら、
光る風船を持ったパレードとすれ違いました。

六本木ヒルズに着いた頃には、メインイベントの境目だったので、
夕食ののち、ヤノベケンジさんのトークイベントへ。
アトムスーツを着て「大陽の塔」の目玉に上るゲリラパフォーマンスの映像、
「トラやんの大冒険」の映画、ブラックながら笑えて、とても面白かったのですが、
春の夜寒に負けて途中退散。
上の写真がImage387「ジャイアント・トラやん」です。

裏テーマは「万博」?
中の写真は、大阪万博当時から「霧の彫刻」を手掛けていたという
中谷芙二子さんのインスタレーション。Image389毛利庭園が「霧の庭」になっています。

帰り道、ミッドタウンを通りかかると、
前述の光る風船が芝生広場で揺れていましたImage395(下の写真)。
仕掛け人は平野治朗さん。
無数の風船は、人魂のようです。
背後は夜桜。
「桜の樹の下には」by梶井基次郎を想起しました。

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ジム・ランビー@原美術館

年明け早々見に行って、ホントはすぐブログに書くつもりでした、
品川・原美術館で開催中の
「ジム・ランビー アンノウン・プレジャーズ」

書きそびれているうちに、そろそろ終わっちゃうなあ・・・と思っていたら、
会期が5月10日までに伸びたというので、
ぜひお勧めしたいと思った次第。

原美術館のギャラリーの床一面に、
白と黒のビニールテープで描かれた、ストライプの渦巻き。
廊下も階段も含めた空間そのものを、まるごと使ったインスタレーションです。
でも映像や仕掛けはなしの、静的なインスタレーションというところも、
私は好き。

白黒渦巻き模様の上にコンクリートのオブジェが点在するさまは、
まるでポップな「枯山水」です。
どうも、日本人はみな同じ感想を持つようで、
あちこちの展評に似たようなことが書いてあって苦笑しました。

けれども、ジム・ランビーのもともとの意図は「レコードの溝」だったらしい・・・。
確かに、コンクリートのオブジェに埋め込まれたものをよくよく見ると、
レコードジャケットの背表紙なのでした。

「Unknown Pleasures」、未知の快楽というタイトルも
何かの楽曲のタイトルらしいけれど

ポップな枯山水の中を歩くのはとても楽しく、
確かに「Unknown Pleasures」を感じました。


付け足しますと、
昨日発売された講談社・セオリー「新・土地のグランプリ」に
原美術館も登場する記事を書きました。
タイトルは「人気住宅街物語」。

お出掛けの節は、ぜひご一読ください。
(ソレガ イイタカッタノカ)

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チェンジリング(ネタバレあり)

珍しく仕事に追われている今日この頃。
1カ月のご無沙汰でした。
・・・誰か、待っててくれた・・・?

忙しくても、ときには風穴を空けなくっちゃ、と自分を甘やかし、
週末は、以前から気になっていた映画「チェンジリング」を観てきました。

監督は、クリント・イーストウッド。
ヒラリー・スワンクと組んだ「ミリオンダラー・ベイビー」も、
一瞬たりともゆるみのない緊張感溢れる構成でしたが、
アンジェリーナ・ジョリーとの本作も同様です。

物語の導入部はTVCFなどでも流れたので
ご存じの方が多いと思うけれども、
誘拐された愛息が戻ってきたと思ったら
別人にすり替わっていた、ということから始まる物語です。

アンジェリーナ扮する母親、クリスティン・コリンズの
息子を取り戻すための戦いは
物語途中、権力に対する正義の戦いと重なり、
いったん勝利を収めたところで
観客はあやうく溜飲を下げそうになるのですが、
クリスティンにとっては息子の消息こそすべて。
その、まっすぐで強い意思に胸を打たれます。

けれども、その後の経過は、あまりにむごい。

「ミリオンダラー・ベイビー」も「チェンジリング」も、
ある種の「女の戦い」を描き、ひとつの「勝利」を与えながらも
結末がむごく、それでも観客に希望を与える点で共通しています。

ちなみに、「チェンジリング」のクリスティンは実在の人物。
映画を観たあとHPで、事件のわずか7年後に亡くなったと知り、
映画を超える現実のむごさに、また胸が痛くなりました。


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