ルーヴル美術館展 地中海 四千年のものがたり
東京都美術館で開催中の
『ルーヴル美術館展 地中海 四千年のものがたり』を見てきました。
現地パリで、ルーヴル美術館を訪れたことがある方は多いでしょう。
もちろん私も、とおーーい昔に行きました。
しかし、コレクションのあまりの膨大さに
「何を見たのか覚えてない」というのが正直なところ。
この展覧会のミソは、ルーヴルが擁する8つの美術部門、
「古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術」、
「古代エジプト美術」、「古代オリエント美術」、「イスラム美術」、
「絵画」、「彫刻」、「美術工芸品」、「素描・版画」
のすべてを「地中海」というひとつのテーマで横断し、
時空をまたいだ壮大な展示になっていることです。
こんな鑑賞は、現地に行ったってできません。
展示は序章を皮切りに、全5章で構成されています。
地中海世界を概観する序章のテーマは、
「敵対する海」「気候と三つの作物」「島から島へ」。
「三つの作物」とは小麦、ぶどう、オリーブです。
写真左、小麦を量る升のかたちをした耳飾りなんか
女子的には萌えアイテムでは。
日用品をモチーフにした愛らしいアクセサリー。
どんな女性が身に付けていたのでしょうか。
2000年以上前の地中海世界が、一気に近付いたように感じられます。
※以下、会場内の写真は、すべて主催者の許可を得て撮影したものです。
そして、第一章は
「地中海の始まり−紀元前2000年紀から前1000年紀までの交流」。
各章の始まりには、当時の地中海の状況を表す地図が展示されています。
資料価値ありそうですね〜。これが欲しさに図録も購入。
第二章は
「統合された地中海ーギリシア、カルタゴ、ローマ」。
紀元前146年にポエニ戦争で滅びたカルタゴの、貴重な遺産も展示されています。
しかし、なんといっても目立っていたのは、
ローマ皇帝ルキウス・ウェルスの妻、ルキッラの巨大な頭部。
本人が生きていて、この展示を見たらどう思うだろうか・・・、
などと、要らぬ感想を抱いてしまいました。
第三章は
「中世の地中海ー十字軍からレコンキスタへ(1090ー1492年)」
写真奥は「東方と西方のキリスト教会統一の象徴である
教会を支える、聖使徒ペテロとパウロ」。
さらに、展示は第四章
「地中海の近代ールネサンスから啓蒙主義の時代へ(1490-1750年)」
第五章「地中海紀行(1750-1850年)」へと続きます。
この展覧会の目玉のひとつは、最終章で展示される
「ギャビーのディアナ」と「トロイアの王子パリス」。
前者は100年頃、後者は130年頃に制作されたもので、
どちらもギリシア神話の登場人物ですね。
まるでカップルみたいに展示されていましたが、
人気は圧倒的にディアナの勝利でした。
最後の写真は夜のトビカン。
会期は残り少ないですが、金曜日の開館時間は延長されて午後9時まで。
先週金曜日は、かなり空いてました。狙い目です。