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伊勢参宮

遷御直前の9月末、初めて伊勢神宮にお参りしてきました。
混雑を避けるため日曜日に伊勢入りして、月曜の朝からお参り開始。

まずは二見浦の朝日を拝みます。
夫婦岩の間の水平線から日が昇るのは夏至の頃だそうですが、
時期はずれでも、見学用の突堤に行けば
ちゃんと夫婦岩の間から上る朝日が見られます。
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そして、外宮(豊受大神宮)へ。
御正宮前には、遷御の際の神様の通り道が準備されていました。
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こちらは内宮(皇大神宮)。
神様が遷られる前の新しい御正宮前は立ち入り禁止です。
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外宮も内宮も御正宮の御垣内には入れませんが、
外宮の勾玉池のほとりにある「せんぐう館」には
外宮正殿の東側四分の1を再現した原寸大模型が展示されています。
イメージしていた以上に巨大な建物で、模型ながら圧巻でした。

一方、別宮では実際に新旧の神殿が並んでいる様子を
拝見することができました。写真は内宮の荒祭宮。
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そのほかの別宮は、まだ新しい神殿の建設が始まっておらず
新御敷地に心御柱の覆屋がある状態です。
写真は外宮の宮域外にある月夜見宮。
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内宮の御稲御倉では「唯一神明造」を間近に見られます。
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周辺の街並みも歩いてきました。

まず、大賑わいの内宮の門前町「おかげ横町」
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遊郭のあった古市地区は、登録有形文化財の麻吉旅館が見物ですが、
それ以外の街並みには昔の名残は感じられませんた。
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商人町の河崎には古い建物や蔵も残っていますが、
町全体として積極的に保存するには至っていないようでした。
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最後に、私が泊まった二見浦の宿。
なかなか雰囲気のある木造三階建てなのですが・・・
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磨けば光る玉なのに・・・
古さだけが目立ってしまうのが、ちょっと残念な感じでした。

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明治のこころーモースが見た庶民のくらし

江戸東京博物館で12月8日まで開催中の
に行ってきました。
副館長・小林淳一さんによる解説付きの贅沢な見学会でした。

 

展示品は、全米最古の博物館と言われる
アメリカ・マサチューセッツ州セイラムの
“モース・コレクション”を中心としています。

 

そのコレクションとはどんなものか、
展覧会フライヤーのこのコピーが象徴しています。

 

「日本がなくしたものを、彼がとっておいてくれた。」

 

大森貝塚の発見者として知られるE・S・モースは
合計3回来日し、3回目の来日は、
博物館資料としての民具収集を目的としていました。

 

彼が集めたのは、高価な工芸品や美術品ではなく
市井の人々の日常の暮らしの道具。
彼の手に入っていなければ、捨てられていたはずのモノたちです。

 

会場には、
履きつぶして歯がすり切れた下駄や、
墨で真っ黒に塗りつぶされた手習い帳などが
麗々しくガラスケースに収めて展示されていて、
思わず笑みを誘われます。

 

これらの品々に、
当時の日常生活を活写した彩色写真と
モースの手による洒脱なスケッチ、
モースの日記から採られた珠玉の言葉が組み合わせられ、
タイトル通り、明治の人々の「こころ」を
いきいきと描き出す展示になっています。

 

小林さん曰く、この展覧会はとにかく会場が賑やかだそう
展示されている日用品を見て
自分自身の幼少時や祖父母・曾祖父母の日常を思い出し、
同行者に何か言わずにはいられなくなる観覧者が多いよう(笑)。

 

また、日本を愛したモースの言葉には、
私たち日本人の自尊心をくすぐるものが多く、
それも嬉しくなってしまう理由です。
たとえばこんな感じ...

 

「(外国人が)道徳的教訓の重荷になっている
善徳や品性を、日本人は生れながらに
持っているらしい」

 

「人々が正直である国にいることは
実に気持ちがよい」

 

「この地球の表面に棲息する文明人で
日本人ほど、自然のあらゆる形況を
愛する国民はいない」

 

これらの美質のいくばくかは今も受け継がれている、
と思うけれども、明治の頃に比べれば、果たして...。

 

楽しくてほほえましくて、おしゃべりがはずんで、
そして今の「日本」について、
ちょっぴり考えさせられてしまう展覧会でした。

 

 

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「明治のこころ モースが見た庶民のくらし」
会場:江戸東京博物館 1階展示室 (東京都墨田区横網1-4-1)
会期:2013年9月14日(土)〜12月8日(日)
開館時間:午前9時30分〜午後5時30分(土曜日は7時30分まで) 
※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日(11月4日は開館)、11月5日(火)は振替休館

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横山大観展 良き師、良き友

過日、横浜美術館で開催中の「横山大観展 良き師、良き友」
の夜間特別鑑賞会に参加してきました。

担当の主任学芸員、八柳サエさんの
熱のこもったレクチャーを楽しく拝聴したあと
いざ、閉館後の展示室へ!

エントランスでは、壮年期(41歳頃)のイケメン大観がお出迎え。
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この写真が示すように、この展覧会では、

さまざまな画題・画法を探求した、「大正期の大観」に焦点が当てられています。
「巨匠」「富士山」という、晩年の大観のイメージとは、ちょっと違う。
ちょっと鼻息が荒く、アツい感じの若き大観の息吹が伝わってきます。

展示の皮切りは、岡倉天心に学んだ美術学校の卒業制作「村童観猿翁」。
村の童子たちは、同級生たちの幼少時を想像して描いたことで、
仲間内でも話題を呼んだとか。なかなかお茶目です。
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※夜間特別観覧のため、特別に撮影許可がおりました。

表題の通り、展示は「良き師(岡倉天心)」の影響下にあった時期に始まり
4人の「良き友(今村紫紅、小川芋銭、小杉未醒、冨田溪仙)」との交流、
そこから大観を含む5人がどのように画業を発展させていったかを概観します。
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仲間たちのうち、早逝した紫紅の作品と、
大観による紫紅へのオマージュと思われる同テーマの作品が並んでいたり...。
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19歳当時の千利休のエピソードを描いた大観の大作(前期10月末までの展示)。
見応えありました。
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当代の人気画家、山口晃さんによる、
良き師、大観、良き友たちの肖像画もお楽しみのひとつ。
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1時間半とたっぷりの鑑賞時間、音声ガイドも無料と、
至れ尽くせりの鑑賞会、主催者には感謝のひとことです。
(にもかかわらず、ブログアップが遅れてスミマセン…)

お隣のマークイズには、後期展示予定の大作「夜桜」が…

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みなとみらいの商業施設では、この展覧会とのコラボメニューや
割引を用意しているところが多数あり! 
後期は展示替えがあるので、今度は日中に、ゆっくり再訪したいと思います。

「横山大観展 良き師、良き友」@横浜美術館
前期展示は10月30日まで。後期展示は11月1日〜11月24日です!
休館日は木曜日なのでお間違えなく。

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