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100のモノが語る世界の歴史--大英博物館展

東京都美術館(トビカン)で6月28日まで開催中の
選び抜かれた100の展示品を通して人類200万年の歴史を通観する、
壮大にして大胆な試みです。

解説も懇切丁寧で、「こんな歴史の見方があったのか!」と目を開かせてくれます。

タンザニアで原初の人類が手にした礫石器から、
21世紀の中国製ソーラーランプまで。
つくられた時代も場所も、互いに遠く隔たったモノの数々が、
今、目の前に、一堂に並ぶ事実を思うとワクワクしますね。

会場構成も美しく、かつ丁寧。
200万年を見事に切り分けた8つの章ごとに、
年表(日本史との比較もあり)と世界地図に作品をプロットしています。
一点一点を巡るストーリーも詳しく解説され、歴史の中にしっかり位置付けてくれます。

日本生まれの展示品も登場。

まず、第1章「創造の芽生え」BC2万年-BC2500年に、縄文土器が。
縄文土器って、世界最古の土器なんですね。そんなことも知りませんでした。
しかも、今回の展示品のおもしろいのは、19世紀の加工あとがあること。
縄文鉢の内側に金を貼って蓋を付け、茶道の水指として使っていたらしい。
いったいどんな茶人が、どんなお茶会に使っていたのか、妄想が膨らみます。

次はちょっと飛んで、第7章「大航海時代と新たな出会い」1500年-1800年。
オランダ東インド会社がヨーロッパに送った、柿右衛門の象の置物が登場します。
鎖国当時の日本の陶工は、いったいどんな思いで、
遠い他国の人に届ける、他国の生き物の姿を造形したのでしょうか。

そして、最終章の第8章「工業化と大量生産が変えた世界」1800年ー、には2点。
北斎漫画と、鉄製の、ヘビの自在置物。
どちらも、開国後の日本から輸出され、海外で人気を博したものだそうです。
匠の技とマンガは、昔も今も世界に誇る日本文化ですね。

写真は「第1章」の会場風景。主催者の許可を得て撮影したものです。
Britishm
この展覧会はトビカンを皮切りに、
九州国立博物館、神戸市立博物館を巡回する予定で、
各会場がそれぞれ「101点目」を選んで展示するそうです。

トビカンが選んだのは、あのプリツカー賞建築家の...、
これ以上はネタバレになるので控えます。

私は会期中にもう一度行きたいと思っています。
超オススメの展覧会です。

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