ダブル・インパクト--明治ニッポンの美。
な〜んにも考えずに、トーハク「鳥獣戯画展」に出掛けたら、
平日午前にもかかわらず、入場まで90分待ち、甲巻展示はなんと100分待ち!
真夏日になろうという日に、何の支度もせず屋外に1時間半もいられません。
出直すことに決めて、この日は東京藝術大学大学美術館の
明治ニッポンといえば、最近は「明治日本の産業革命遺産」が話題ですね。
黒船が来て、長い江戸時代が終わり、急ピッチで近代化を推し進めた産業界。
同じ頃、美術の世界では何が起きていたのでしょうか。
タイトルの「ダブル・インパクト」とは
開国以来、日本が西洋から受けた衝撃(ウェスタン・インパクト)と
来日した西洋人が日本から受けた衝撃(ジャパニーズ・インパクト)を指します。
でもって、それぞれを象徴する東京藝術大学とボストン美術館、
ふたつのコレクションを組み合わせた展示です。
日本人の錦絵や日本画、そして洋画、工芸品に加え、
日本人を指導した西洋人による絵画や彫刻も出品されています。
とはいえ、藝大美術館が持ってるものはどっかで見てるし、いつか見られるはず。
狙いはやっぱり、ボストン美術館の所蔵品ではないでしょうか。
川鍋暁斎も菱田春草も、下山観山もよかったけど!
意外な掘り出し物は横山大観。
「富士山の画伯」のイメージを破る、抽象画のような“朦朧体”の作品が帰国しています。
そして、さらなるインパクト、は、初めて知った、小林永濯「菅原道真天背祈祷の図」。
フライヤーのメインビジュアルにもなってます。
まさしく劇画!
菅原道真のイメージも、それより明治日本絵画のイメージも、
思いっきり覆されました。
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