カテゴリー「02・データウォッチ」の記事

建材の値上がりが深刻に?

首都圏の中古マンション価格は前年同月比22.4%・先月比7.1%の大幅上昇
月次中古マンション70平米価格/東京カンテイ
とか

住宅地・中古マンションとも調査開始(97年)以来の最高上昇率を更新
リハウス・プライスリサーチ/三井不動産販売
とか

首都圏の新築マンションの坪単価は、
東京23区で前年同月比40.5%増(!!)を筆頭に全エリアで上昇
月例マンション動向/マーキュリー
とか

賃貸も、「全タイプで前期比増」
マンション賃料インデックス/アットホーム・住信基礎研究所
とか・・・ゼイゼイ(息切れ)。

この一ヶ月ほどの間に発表された市況データは、
揃って「値上がり」を報じています。

中古の値上がりは地価上昇によるものでしょうが
新築マンションや分譲戸建て、注文住宅に関しては、
こんな動向にも注目しておく必要がありそうです。


「銅、アルミ、南洋材、原油などの
高騰が日本の住宅産業を直撃している。」

(「日経ホームビルダー」2007年5月号)


メーカーが原料高や製造コスト増に耐えきれず、
建材・設備の値上がりが続いている、とのこと。

システムキッチンやシステムバス、床材などが、
5〜10%ぐらいの幅で値上がりしています。

注文住宅業界では、住宅会社が値上がり分を
吸収しようと努めているようですが、
いつまで持続できるか。

マンションなどは、
もう影響が出ていると見るべきかもしれません。

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【住まいの選択肢】一戸建てを選ぶ理由

不動産情報ポータルサイト「HOME’S」が、
こんな調査結果を発表しています。

インターネットによる、
持ち家一戸建て住宅購入者の実態調査。

対象は、関東(1都6県)、関西(2府4県)在住の、
過去3年以内に一戸建て住宅を購入して、調査時点も住んでいる人です。
建て売りも中古も、注文住宅も含めてサンプルは2002人。

購入時の平均年齢は全体で36.9歳と、
私の実感よりはちょっぴり高めな印象。

そして、全体の4分の1以上が、
マンションとも比較した上で一戸建てを選んだ、
としています。

ということは、4分の3近くは
最初から一戸建てしか考えていなかったわけ。
調査対象が関東・関西に絞られていることを鑑みれば、
意外に多いとも見えます。

リリースには詳しいことは書かれていないのですが
たとえば関東なら、
東京や神奈川と他県との差を知りたいところでした。


また、マンションより一戸建てを選んだ決め手、
ベスト3は

第1位:隣室や上下階との関係に気を使わないですむから
第2位:駐車スペースを確保でき、駐車代もかからないから
第3位:土地があることで資産の有利性があるから

・・・なんだか夢がないような。

でもそれは、単に設問の問題かもしれません。
4位以下も「補修・建て替えが自由にできるから」
「プライバシーを守りやすいから」などなど。


かねて私は、「一戸建てでなくては!」と思う
積極的な動機には、大きく3つあるのでは、
と考えています。

ひとつは、子ども。

DINKSならば都心のマンションが便利だけれど、
子育てには、のびのび広い一戸建てを・・・
と考える人は少なくないのでは。

そう思ってみると、「HOME’S」調査の第1位、
「隣室や上下階との関係に気を使わないですむから」という中には、
子どもが自由に走り回れる家を、という動機も含まれている、
かもしれません。


そして、私が考える3大動機のもうひとつは、
クルマ(カタカナで)。

東海地方あたりだったらわかりませんが、
関東・関西で、「全戸駐車場付き」ってマンションは
そう多くはないはず。

しかも、クルマ好きは、1台では満足しないことも多いし、
クルマいじりでもしたいとなれば、マンション内駐車場では無理。

これまた、「HOME’S」調査の第2位に、合致するでしょ。


調査結果にない、一戸建て選択動機
(そもそも設問の選択肢になかったのかも)
として私が考える3つめは、

ペット。

いかにペット可マンションが増えたといえど、
大型犬を飼うとか、猫を何匹も飼いたい人は
マンションではちょっと・・・と思うんじゃないかな。


とはいえ、
このアンケートの4分の3を占める回答者のように、

以上3つの動機を超えて
「そもそも一戸建て以外考えられない」という人は、

全国的にみれば(特に地方には)もっと多いんじゃないか、
とも、思うんですよね。

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さよなら住宅金融公庫

いよいよ新年度ですね。
と、いっても自由業者の私には
何の変化もイベントもありませんが・・・

こういうとき、「切り替え感」がある会社勤めも、
ちょっと羨ましいな〜、と思います。

さて、
この週末は「東京ミッドタウン」の話題で持ちきりでしたが、
住宅関連の話題としては、
これでしょ。

住宅金融公庫廃止、住宅金融支援機構に移行。

まあ、廃止が決まってから6年も経つので
「今頃?」
ってカンジもあります。

いっぽう、まだまだ返済中のみなさまにとっては、
「さよなら」
ってカンジでもないでしょう。

とはいうものの、

公庫の歴史は日本の住宅ローンの歴史、
住宅政策の歴史そのものといっても過言ではない。
その廃止は、やっぱり大きな節目です。

ということで、ここでざっくり振り返っておきましょう。
(マイブーム>年表)

昭和23年、GHQによる非公式な勧告が、
公庫の歴史の黎明でした・・・。


1950年5月6日 住宅金融公庫法施行
1950年6月5日 住宅金融公庫発足
1950年6月26日 個人住宅の第1回申し込み受付開始
1955年7月11日 住宅融資保険法施行・保険業務新設
S30(1955)年度 増築資金融資創設
S38(1963)年度 住宅改修資金融資創設
S40(1965)年度 増築と住宅改修を一本化し住宅改良資金融資に
S45(1970)年度 高層分譲住宅購入資金融資創設
S47(1972)年度 民間デベロッパー向け団地分譲住宅融資創設
S49(1974)年度 返済方法を元金均等返済から元利均等返済に
S54(1979)年度 ステップ償還制度導入
S57(1982)年度 段階金利・規模別金利導入
S60(1985)年度 融資手数料導入
S62(1987)年度 クイックリフォームローン創設
H2〜3(1990〜91)年度 大都市加算・初めてマイホーム加算導入
H5(1993)年度 ゆとり返済制度導入
H8(1996)年度 性能基準が基準金利の要件に
H12(2000)年度 ゆとり返済制度廃止
2001年 住宅金融公庫廃止が閣議決定される
2003年10月 証券化ローンがスタート
2005年1月 証券化ローンの名称が「フラット35」に決定

主な参考資料は
「住宅金融公庫五十年歴史」(財)住宅金融普及協会
これまたβ版です。

写し間違いもあるかもしれないので、
引用の節はご注意くださいませ。

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バブル? 二極化? 頭打ち?--2007年地価公示

先週末の不動産関連の大きな話題といえば、地価公示。
全国の平均値が、住宅地・商業地ともに16年ぶりに上昇しました。
「1991年以来」ってことは、
まさしくバブル崩壊以来の値上がりなわけです。


とはいえ、これはあくまで「全国平均」のおはなし。

東京都の地価(全用途平均)と三大都市圏の商業地は
すでに去年から上昇に転じていますし、
他方で、
「全国の調査地点のうち住宅地、商業地ともに5割超が下落」
「地方圏では8割超が下落」(asahi.comによる)という現実も。


住宅新報の分析によれば、今年の公示地価の特徴は
「上昇地点の急増」と「上昇率の大幅アップ」とか。

たとえば、上昇率全国一の住宅地、東京・南青山は、
去年28.8%、今年はなんと45.5%!

商業地の上昇率ナンバーワンは、
昨年が名古屋駅前の38.0%(今年は2位・45.1%)
だったのに対し、
今年は東京・神宮前で、こちらも青山同様45.5%。

この急上昇ぶりに対し、読売新聞社説(3月23日付け)は
「大都市の地価上昇は警戒段階に入ったのではないか」と
警鐘を鳴らしています。

「NIKKEI NET」記事によれば、

土地鑑定委員会の鎌田薫委員長は
「評価の過程で収拾した事例を見ると、地価上昇の著しい地域で、
通常の利便性・収益性などでは合理性を説明できない
価格形成がなされたと推察されるものも散見された」と指摘。

要するに、バブルの懸念ありということ。

しかし、国土交通省は
「バブル経済時とは異なり、上昇率の高い地点の周辺まで
一斉に上がってはいない」と否定的な分析(Sankei Webによる)
をしているそうですし

大田弘子経済財政担当大臣も、
「ただちにバブルとの見方は出来ない」(ロイターによる)
と語っています。

確かに、バブル期と今とでは、
地価の決まり方そのものが違いますし、
いかに上がったといっても、地価水準に目を向ければ
東京都心部の住宅地でバブル以前の1984年並み、
商業地では1980年頃並み。
しかも、急騰した地点はきわめて限られています。
(上昇率40%以上は3万地点中15地点)


先の住宅新報記事などは、
「地価はすでに頭打ちか?」という見出しを掲げています。

大手不動産会社の実務担当者は、ほぼ一致して
「東京都区部の値上がりはそろそろ収束」と見ているそう。

ほか、Jリートの物件取得額が昨年後半急減していること、
法務省統計による東京都の土地所有権移転登記件数が減少傾向にあること、
国内銀行の不動産業向け貸し出し残高が横ばいに転じていること、
などの指標を挙げて

「大都市圏での実態価格はそろそろ頭打ち」と結論づけます。


で、一般庶民としましては
「地価急騰を小耳に挟んだからといって、あたふたしない」
のが正しい姿勢、といえそうですね。

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「首都圏における価格別・購入可能な住宅の平均像」 by 東日本レインズ

東日本レインズ((財)東日本不動産流通機構)から
おもしろいデータが発表されました。

副題にいわく、
「○千円で購入できるのはどんな住宅?」
2006年12月末時点の登録物件情報に基づいたデータで、
対象は東京・埼玉・千葉・神奈川の4都県です。

首都圏全体の平均はいろんなところで引用されるでしょうし、
私としては都区部に注目したいところ。

1000万円で買える都区部の物件は、
築23.2年、専有面積24.4平米の中古マンション。
新築ならば14平米ってところだそうです。

倍の2000万円出すと、
中古マンションの平均築年数は19.1平米とやや新しくなるものの、
広さは44.9平米で、倍、とまではいきません。
でも、新築の28平米に比べれば、1.6倍の広さ。

3000万円では、
築16.3年・専有面積57.4平米の中古マンション、
新築42平米より一部屋ちょっと広いカンジでしょうか。
さらに、土地66.6平米・建物77.5平米、築21.8年の中古戸建ても。
新築戸建てもあって、土地60.9平米・建物75.1平米。

4000万円になると、
築13.4年・専有面積66.1平米の中古マンションが買えて、
戸建ては中古・新築とも3000万円の物件に比べ
土地が10平米、建物が13〜15平米ほど広くなります。

5000万円の物件は都区部に集中していて
築11.2年・専有面積74.8平米と
中古マンションもファミリータイプに。
このへんだと、新築マンションも69.9平米で、
中古が築浅だからか、面積の差も小さくなるようです。

都区部といっても、
立地による価格差はかなり大きいでしょうから、
平均値にどのぐらいリアリティがあるのかは難しいところ。

レインズ自身は
首都圏各地域の中古・新築・戸建て・マンションを横断的に見ることで
「購入する住宅の選択肢を幅広く捉え」
てほしいとしていますが・・・

このデータをどう役立てられるか、
ちょっと考えてみたいと思っています。

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私家版・住宅リフォーム年表(β版)

そもそも住宅を「リフォーム」するって行為が、
巷間に浸透したのはいつからなのか。
やっぱり「劇的!ビフォーアフター」あたりの功績が大きいのでしょうか。

そこで、思い付くままに、こんな年表をつくってみました。

1979年 東急ホームサービス(現・東急アメニックス)リフォーム事業開始
1980年 三井ホームサービス(現・三井ホームリモデリング)リフォーム事業開始
1984年 (財)日本住宅リフォームセンター設立
1988年 建設省(現・国土交通省)増改築・改装等調査開始
1992年 マンションリフォーム推進協議会設立
1990年代半ば リクルート「月刊ハウジング」より、リフォーム関連別冊発行
1997年 (財)日本住宅リフォームセンターHP開設、「リフォネット」事業開始
1998年2月 「goodライフ&リフォーム」(「goodリフォーム」の前身)創刊
2000年 (財)日本住宅リフォームセンターが
    (財)住宅リフォーム・紛争支援処理センターに改組
2000年11月 住宅リフォーム推進協議会設立
2001年3月 第八期住宅建設五箇年計画閣議決定(ストック重視へ政策転換)
2001年8月 住宅市場整備行動計画(アクションプログラム)策定。
     (中古住宅流通市場・住宅リフォーム市場が主要施策の対象に)
2002年4月 朝日放送「大改造!!劇的ビフォーアフター」放送開始
2003年 第1回「住宅リフォーム実態調査」
2006年3月「大改造!!劇的ビフォーアフター」放送終了
2006年6月 住生活基本法施行

香月さん、林さん、よかったら、修整・追加にご協力を!
「Goodリフォーム」創刊っていつでしたっけ? 月刊化は?

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平成18年度住宅リフォーム実態調査

先月末、住宅リフォーム推進協議会
平成18年度住宅リフォーム実態調査を発表しました。

注目はなんといっても契約金額の高額化で、
戸建てでは有効回答数の22.7%、マンションでも18.9%が
1000万円を超えています。

このゾーンの割合は、毎年確実に増えている。

対して、100万円未満は戸建てではわずかに5.4%、
マンションでも13.5%。

なんだか、隔世の感がありますねえ。

私がリフォームの取材を始めた頃、
どんな大手に尋ねてみても、
「ほとんどは修理程度の、数十万円単位の工事なんですよ」
と言われたものだったのに・・・(真相はわかりませんが)。

思わず「リフォーム」の来し方を振り返ってみたくなりました。
と、いうことで、この項続く。

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2006年の全国マンション化率

不動産情報会社「東京カンテイ」の発表によれば、
2006年の「全国マンション化率」は
10.35%に拡大したそうです(2005年は10.19%)。

「マンション化率」とは、世帯数に占める
分譲マンション戸数の割合のこと。

つまり、全国の家庭の約1割が、
マンションを買って住んでいる、ということですね。

同時に、この調査では都道府県別と政令指定都市の
ランキングも発表されています。

都道府県別の1位はなんといっても東京都で、22.32%。
全国平均の倍以上です。次いで、神奈川の20.49%。

近畿では、兵庫県(17.39%)が
大阪府(16.34%)を押さえています。

名古屋を抱える愛知県は、比較的低くて10.77%。
独断ですが、東海地方は戸建て志向が強い印象がありますしね。


このへんまでは納得の数字ですが、
意外だったのは政令指定都市のランキング。

東京23区(26.06%)は3位に過ぎず、
2位横浜市(26.13%)を押さえてトップに立ったのは、
なんと福岡市で、27.36%。

土地が少ないのか中心地志向なのか、
ドライで地べたにこだわりがないのか、新しもの好きなのか。
その全部、のような気もする。

福岡ご出身のそこのあなた、ご意見お聞かせくださいませ。

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2006年の住宅着工戸数

国土交通省から、
平成18年の新設住宅着工戸数が発表されました。
総数129万391戸、前年比4.4%増で、4年連続の増加です。
持家・貸家・分譲住宅、揃って増えたのは久しぶり。

持家が「3年ぶりの増加」(35万8519戸)ですが、
こまかく見れば、「去年よりは増えた」ものの
一昨年の水準(36万9852戸)には達していません。

分譲住宅の内訳でも、マンションは前年比4.0%増だけれど
一戸建ては0.3%増と「微増」に留まっています。

総数の牽引役となっているのは、実は貸家で、
前年比7.8%増、実に6年連続の増加。
54万3463戸という数字は、
総数が140万戸近かった1997年(平成9年)時点の
貸家着工戸数(53万1220戸)を上回っています。

もしかして、REIT効果だったりするのかしらん。

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2006年の住宅地取引価格の動き

引き続き、東日本レインズ(不動産流通機構)による
四半期毎の流通市場動向報告より。

首都圏の土地(100〜200㎡)の取引データでは
成約物件の1㎡単価は平均22.15万円で前年同期比6.8%上昇。
前年同期比は9期連続の上昇ですが、
前期比ではまっすぐな伸びではありません。

新規登録物件の1㎡単価は平均28.48万円で
こちらは前期比で9期連続の上昇。
上昇率は前年同期比19.0%!
価格ベースでも前年同期比18.6%の大幅上昇です。

三井不動産販売の「リハウス・プライスリサーチ」でも、
首都圏1都3県の住宅地価格は去年1年間で8.9%の上昇。
これは、97年の調査開始以来最高の上昇率とか。
東京23区だけ取り出せば、14.5%の上昇となっています。

ただ、四半期ベースでは上昇に一服感あり、
との見方もあるようです。

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