カテゴリー「01・業務月報」の記事

21世紀型再開発の先行例、豊洲

まだ開発は完了していないけれど、
豊洲は21世紀型再開発のテストケースといえます。

特に、ゆりかもめ豊洲駅の北側にあたる
江東区豊洲2丁目・3丁目。

特徴は、
まず第一に、複合機能都市だということ。

20世紀型、というか昭和型の都市開発は、基本的に単機能でした。
住宅地は住宅地、商業地は商業地、オフィス街はオフィス街。
「ベッドタウン」と呼ばれた団地群が典型です。
今となっては、「都市の限界集落」なんて呼ばれていたりする。
オフィスがないから人は出て行くし、商業がないから訪れる人もいない。

その反省もあってか、
豊洲では、晴海通り沿いがオフィス、
運河沿いが商業地、住宅地、文教地区と
さまざまな機能を計画的に振り分けています。

そのため、第二の特徴として、
官民一体で開発に取り組んできました。

計画時には「まちづくり協議会」でデザインルールを決め
遊歩道の一部は、沿道のマンションやオフィスが共同で提供しています。
オフィスビルも、道路面は一般開放してカフェや企業史料館を設けている。
多彩な機能を持つと同時に「街全体の一体感」の実現をも目指しています。


では、なぜ豊洲ではこんな大々的な面開発が可能だったのか?


「埋め立て地だからでしょ」では片付けられません。


同じ埋め立て地でも、豊洲は有明や台場、青海などの
「埋め立てたて」(といっても'70年代にはすでにあった)の街とは違い、
昭和初期にはすでに完成し、機能していました。

すでにひとつの役割を終えて、次の役割に移行しつつある街、
それが豊洲。

そこで、次からは
「豊洲では、なぜこんな開発が可能だったのか?」を
解き明かしたいと思います。


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東京は、湾岸へ?

・・・クエスチョンマークを付けてはいけないかもしれないけれど(笑)。

梅雨の最中、お天気と格闘しながら撮影した特集が
先週ようやく日の目を見ました。

リクルート「都心に住む」2009年10月号、「東京は、湾岸へ」

今回はリニューアルと重なったおかげで、
地下鉄に中吊りも出ました。

自分のつくった記事が、中吊りに載るのは何年ぶりだろ・・・
(住宅誌で中吊りまで出すのは、近年かなりレア)

やっぱり、嬉しいものですね。


月刊誌のペースだと、店頭に並ぶ頃には
つくったときのことはすでに遠い記憶。

しかし、春先の講談社「セオリー」に続いて、
湾岸(とくに豊洲)にはずいぶん通いました。

再度の取材を通して、
「街はいかにして成り立つか」について学んだことも。

文献をあたって仮説をたてたつもりでも、
実際に人に話を聞いて初めてわかることもあり
改めて、取材の醍醐味を感じる日々でした。

忘れないうちに、書いておかなければ。

というか、早いうちに思い出して(すでに忘れかけ)
整理したいと思います。

(この項続く)

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ムック「1000万円台でいい家が建つ教科書」発行!

扶桑社から、ムック
1000万円台でいい家が建つ教科書
―こんな時代だからこそ、チャンス! (別冊・住まいの設計 158)

が発行されました。

これは、建築家・山下保博さん率いる
家づくりのネットワーク「Project1000」の成果を
これから家を建てようとする人たちにシェアしようというもの。
かつて、私自身もその立ち上げに参加しました。


「Project1000」とは、ただ「ローコスト」であるだけではなく、
「何にいくらかかったか」を明らかにし「適正価格」で家を建てるために
設計者と施工者が協力する「仕組み」です。
「そんなの当たり前では?」と思われるかもしれないけれど、
従来の「住宅業界」では当たり前のことが当たり前ではなかった。
材料費と人件費がごっちゃになった「一式」見積もりが一般的だったのです。


そんな状況に風穴をあけるべく、1997年に始動した「Project1000」。
2000年に第1棟を完成、関西始め地方にも協力設計・施工会社を得て
来年には竣工100棟に達しそうな勢いです。


このムックの取材を通じて、
改めて多くの「Project1000」の建て主さんに会いましたが、
みなさんとても気さくに、快く話を聞かせてくださったのが印象的でした。

新居を取材させてくれる方は、誰もがその出来映えに満足しているものですが、
特に「Project1000」の建て主さんには

「Project1000」の意義を、これから家を建てる人に伝えたい!

という熱意が感じられました。

このムックを通して、その熱意が読者にも伝わりますように。


自画自賛になりますが、なかなか楽しい仕上がりになったと思います。
とくに、市川幹郎さんが書いてくださった
「1000万円台でいい家を建てるための教科書の『教科書』」はおすすめ。
「Project1000」で建てようと建てまいと、きっと役に立つ、
基礎知識とコストダウンのテクニックがまとめられています。



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「住まいの設計」リニューアル

2003年7月号から仕事をさせていただいている
扶桑社の「新しい住まいの設計」。
はや6年のお付き合いとなりました。

昨日、店頭に並んだ2009年6月号では大リニューアル。
ロゴも「新しい住まいの設計」から
「SUMAI NO SEKKEI」と欧文になりました。
「新しい」は取れたわけ。

広告業界からは、
これまで「新住設」という略称を使っていたのに、
これからどうすればいいの〜
という、どうでもいいような反響もあるらしいですが(^-^;

巻頭記事のイメージもだいぶ変わりましたし、
読者の反応が気になります。

ちなみに私は、今号から始まった情報ページ
「カルチャー&インフォメーション」を担当。
目玉は、「地元建築家がガイドする名建築」です。
各地の建築家に「おすすめ建築の写真を撮ってきてください」と
図々しいお願いをするのですが、
となたも喜んで引き受けてくださるのが驚きです。
建築家って、本当に建築が好きなんだなあ、
と改めて感じ入りました。
第1回は、仙台の手島浩之さんにご登場いただいています。

ほか、書籍や展覧会のご紹介もあり、
私にとっては取材がてら本を買ったり
ギャラリーに行けたりする、ちょっと役得な!ページ。
ボリュームは少なめですが、
堅苦しくなく楽しく読める記事になっていると思いますので
店頭で見かけたら手にとってみてくださいませ。

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建築雑誌オールレビュー再開!

昨年10月から休止していたブログ
「建築雑誌オールレビュー」

「おかっぱ住宅ライター」高木良子さんには
わざわざご自分のブログで再開を訴えていただきましたが
ご支援のかいあって、新年から再スタートを切ることになりました!

新メンバーを迎え、また新しい視点も加わることになるはず。
私は当面、「CASA BRUTUS」「ML」「日経ホームビルダー」のレビューを
担当する予定です。

どうぞ、また改めて、ごひいきにお願いいたします。

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2008年に出会った建築家

今年は、ブログの更新頻度が思いっきり落ちてしまいました。
書かないでいると、書くべきことがたまり、余計に書くのが億劫になる。
書くのは重要事項に絞られていき、与太話が書きづらくなる。
・・・さらに書くのが億劫になる。

来年こそ、この悪循環を断ち切ります。
同時に、テーマを絞った新しいブログも立ち上げる計画。
乞うご期待!

さて、その前に、今年書き残したことの総ざらい。

今年もたくさんの建物を見てきました。
夏頃までは旅取材も多く、
地方で活躍する建築家にお会いできたのも収穫。

北海道では、m+Oの湊谷みち代さん+大塚達也さん、赤坂真一郎さん
名古屋では、CAnの宇野享さんと、そのCAnから独立した諸江一紀さん
そして、宇野友明さん
京都では、あの高松伸さんにお目にかかる機会も得ました。
広島では、土井一秀さん、福山の前田圭介さん
山口で、窪田勝文さん

偶然ですが、CAnの宇野享さんの作品を
「日経アーキテクチュア」と「住まいの設計」で
立て続けに取材させていただいたのに続き、
「建築雑誌」でCAtの小嶋一浩さん、赤松佳珠子さんに
「住まいの設計」で小泉アトリエの小泉雅生さんに、
と、元「シーラカンス」の方々に次々お目にかかりました。
なぜか今まで、どなたともご縁がなかったのに不思議です。

さらに、「シーラカンス」出身の都留理子さん弓場章史さんの住宅も取材。
実力ある若手を輩出する事務所でもあるようです。

若手といえば、保坂猛さん原田真宏さんと麻魚さん
大西麻貴さんなどの、キラキラするような才能も目の当たりにしました。

一方で、象設計集団の富田玲子さん、構造家の梅沢良三さんなどのベテランの、
若手に劣らぬ創作意欲や、
歴史に向けるまなざしの深さに圧倒される経験もしました。

やっぱり、建築家の話を聞くのは刺激的で楽しい。
それを、誌面でどれだけ読者に伝えられたでしょうか。

三次元で、五感に訴える「建築」を、いかにして2次元の誌面で伝えるか。
高尚で、ときに抽象に傾くこともある「建築家」の思考や人となりを
どうやって文章でおもしろく読ませるか。

毎回工夫してはいるつもりですが、うっかりするとマンネリに傾く。
来年は、そのあたりにも風穴を開けていかなくてはなりません。

最後に、今年初めてお会いした建築家の方々のうち、
これまでにお名前を挙げられなかった方をご紹介します。

浅利幸男さん
飯田善彦さん
井坂幸恵さん
奥村和幸さん
北山孝二郎さん
桑原茂さん
末光弘和さん・陽子さん
西久保毅人さん
宮晶子さん
横田典雄さん・川村紀子さん

本当にありがとうございました!

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激変の賃貸集合住宅マーケット

今年夏以降の「日経アーキテクチュア」で私が担当した記事は、
振り返れば全部、「賃貸集合住宅」モノでした。

2008年9月22日号「住宅特集」のリードにも書いたのですが
近年、持ち家の新設住宅着工戸数は減少傾向が続いています。
ピークの96年度には636万戸を記録したのに、
01年度以降はずーっと300万戸台。

これに対して、賃貸住宅は
96年度から00年度までは持ち家同様に減ったものの、
01年度から持ち直し、以後は順調に増加を続けてきました。

そこには、いくつかの大きなトピックがあります。

ひとつは、「デザイン時代の到来」。

00年前後から「デザイナーズマンション」という言葉が
広く使われるようになり、
最近はその数もバリエーションもぐっと増えています。

「コンクリート打ち放し&吹き抜け&ロフト」というハードな物件は、
もはやステレオタイプ。古めかしい印象さえあります。
新築なら「ふつうにオシャレで住みやすい」が当たり前になってきました。

さらに、最近は「バイク」や「クルマ」、「ペット」など
ライフスタイルに合わせた個性が売りの賃貸も続々。
9月22日号では、一歩先行くユニークな事例を取り上げました。

もうひとつは、「証券化」。

J−REIT(不動産投資信託)の上場が始まったのが01年。
時を同じくして、大規模賃貸マンションの供給が増え始めます。
9月22日号でご協力いただいた東京建物も、
01年に高級賃貸マンション事業を始めたそう。
当時はまだライバルが少なかったようですが、今や競争激化とか。


しかし、金融危機はリートを直撃(asahi.com)。
ここへきて、時代がまた大きく動いています。


07年度の着工戸数は、例の「建基法不況」で、
賃貸・持ち家ともに大きく落ち込みました。
08年度はどのぐらい取り戻せるでしょうか?
そして、不動産不況と金融危機の影響が現れそうな今後は・・・。


・・・すっかり記事の話題を離れてしまいました。
以下、覚え書き。

7月28日号のレビューで取り上げたのは
CAn(シーラカンスアンドアソシエイツ ナゴヤ)
宇野享さん設計の「太田の長屋/ゼクエンス」。
なんと3000平米の敷地を10戸の集合住宅で使い切る、
というレアなプロジェクトです。

建築における「傑作」は、
ユニークな敷地と理解ある建主を得てこそ生まれるもの。
建築家宇野さんと、オーナー前原さん、そしてこの広大な敷地の出会いは、
西沢立衛さん設計「森山邸」のそれを思い起こさせました。


8月25日号では千葉学さん設計の「WEEKEND HOUSE ALLEY」。
七里ヶ浜の真ん前という絶好の立地にある商業・住宅の複合施設です。
1階に、日本のサーフショップの草分け的存在(らしい)
BLUE HORIZON」が入居し、住宅も週末利用を想定。
取材時すでにコミュニティーが生まれつつあるようでした。


9月22日号の実例は、
都市デザインシステム×東京電力の「月光町アパートメント
aat+ヨコミゾマコト×アールエイジの「TEO/CT7165」
ブルースタジオ×東急電鉄TOP PRIDEの「LIFT」。

アールエイジは、都心の小さな土地を上手に使って、
ユニークな賃貸事業を行っている不動産会社です。
たとえば「TEO」は、「月額家賃5万円台で中央区に住める!」というもの。
ただし、面積は9平米弱という究極の小ささですが・・・。


10月27日号藤村龍至さんの「BUILDING K」。
若手ながら、すでに論客として名前の通った藤村さんですが、
建築作品としてはこれが処女作とか。

頭でっかちで生意気な若者かと思いきや、
語り口も柔らかく丁寧で、すごく感じのいい青年でした。
あとでオーナーに取材したら、
「こちらの否定的な意見にもいやな態度を見せることなく、
 柔軟に誠実に対応してくれた。
 建築家としてだけでなく、仕事人としてすばらしい」と大絶賛。

見習わなければ・・・。

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(マンション VS 一戸建て)@都心

とっくに店頭から消えた号の話で恐縮ですが、
「住宅情報 都心に住む」2008年9月号の第一特集
「マンションVS一戸建て 都心の選択」の
編集・ライティングを手掛けました。


企画を受けて最初に頭に浮かんだのは、

郊外ならともかく、東京「都心」部で
「マンションか一戸建てか」迷う人ってそんなにいるの?

という疑問。


そもそも、都心だと一戸建ての供給は限られそうですし
値段だって、マンションよりずっと高いのでは・・・? 


・・・しかし、よくよく考えてみれば、
都心の(特に新築の)マンションは造りもゴージャス。
土地代だけでなく建物にもお金がかかっているから、
合わせ技で価格も引き上がるわけです。

一方で、土地だけなら、
都心に残る古い一戸建てを諸事情で取り壊し、
土地を小分けにして売りに出す例も少なくありません。

そういう小さな土地に、木造で一戸建てを建てれば
鉄筋コンクリートのマンションより安くなる。


実際、記事のために出してもらったリクルートのデータでは、
「都心に住む」が取り扱う13区のうち3区で
マンションの平均価格のほうが一戸建てより高いという結果に。

一戸建ての平均価格がマンションを上回る区でも、そのほとんどで、
両者の数値にそれほど大きな開きは見られませんでした。


思い込みは避けなければいけませんね。


・・・そしてもうひとつ、
この企画を通じて自分の「思い込み」に気付きました。

それは「子育てには、一戸建てが向く」ということです。


子どもの足音は、マンションでは苦情に発展しがち。
過去の取材経験でも「子どもにのびのび走り回らせたいから」という理由で
マンションから一戸建てに移り住んだ、という話をたくさん聞いてきました。


しかし、今度の取材で出会った方は
「子育てのために、一戸建てからマンションに買い替えた」とおっしゃる。


「子どもができたときのために、と一戸建てを買ったけれど、
実際に生まれてみれば、
狭い3階建てでは、子どもを抱いての上下移動がつらい。
しかも、1階の子ども部屋は日が当たらなくて寒かった」


・・・なるほどこれも、都心ならではの「一戸建て事情」と言えそうです。

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神無月。

8月は忙しさの余りブログ書きをさぼり、
9月はさぼりグセが抜けないままに過ごしてしまいました。・・・

ご無沙汰の2カ月の間には、
「日経アーキテクチュア」の「レビュー」や秋の「住宅特集」、
講談社の「セオリー」&「セオリービジネス」、
おひさしぶりのリクルート「住宅情報 都心に住む」
日本建築学会「建築雑誌」などに書いた記事が世に出ました。
詳しくは、おいおいご報告してゆきたいと思います。


あっというまに10月。

世間には、、、とくに不動産&建設業界には不況の嵐が吹き荒れています。
なかでも、いつも取材にご協力いただいていた
都市デザインシステムの民事再生法適用には驚きました。
きっと立ち直って、またいい仕事をしてくださると思っていますが・・・。


直接関係するところでは、
建築家支援サイト「PF1」が閉鎖され、
「建築雑誌オールレビュー」が終了してしまったのが残念でした。


今年も残すところ4分の1。
ここらでもう一度、気合いを入れ直さなければ。

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2008年前半のお仕事(その3)

去年あたりから漠然と
「住宅誌や建築誌以外の雑誌に書きたいな」と思っていました。
しかし、そこは私のこと、「漠然」のまま過ごしていたら・・・・

今年の仕事始め、ほぼ一番に届いたのが、
講談社「セオリー」編集部O氏からのメール。

O氏はちょっと不思議なひとで、
どこからどうしてメールをくたさったのか、未だ判然としないのですが
(このブログからだとは思うものの・・・)

大胆にも(←O氏が)、そのまま3号続けて仕事をさせていただきました。

「セオリー」の関心は、建物よりは、それが建っている街や土地にあって、
そこが私にとって新鮮で、なかなか刺激的でした。

そして、私自身の私的な関心も、そこに近いところにある、
と、改めて思う。

2008年後半のテーマも、そのへんに見付けられる、かも。


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