カテゴリー「03・マガジンスクラップ」の記事

「世界が尊敬する日本の建築家」(「CasaBRUTUS」2007年4月号)

水泳にフィギュアスケート、
日本人選手の活躍は、やっぱり嬉しいですね。

「日本人が、海外で認められる」のは、
なんだかんだいっても愛国心をくすぐられます。

そこで「CasaBRUTUS」最新号は
「世界が尊敬する日本の建築家大特集」。

MoMAにルーブル、ポンピドーと、
世界トップクラスの美術館が、
揃ってその新館の設計を日本人建築家に託したのは、
やっぱりすごいこと。

それが、日本の現代建築そのもののすごさ、に
直結するのかどうかは、よくわからないけれど。

ルーブルのディレクターはこう語ります。

「西洋では建築の耐久性が重視されますが、
日本では頻繁に新しいものを建てるので
革新的な試みにチャレンジする精神が強い」。

ふーむ。

日本に来ては「革新的な試みにチャレンジ」
してくれちゃう外国人建築家も多いしね・・・。

ともあれ、
日本も「やられっぱなし」じゃなくなったってこと?
日本の建築家の活躍がグローバルになったのは確かです。
住宅の世界だって、
若手もけっこう、海外で修業していたりしますしね。
みんな英語ぺらぺらなのが、ちょっと悔しい。

・・・話がそれました。

「CasaBRUTUS」の詳しいレビューは、
近々「建築雑誌オールレビュー」にて!

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「大人の女のハッピー住まい大図鑑」(「日経ウーマン」2007年4月号)

「日経ウーマン」公式サイトを通じた
読者アンケートによれば、
「大人の女」のライフスタイルで
最も多いのは「ひとり暮らし」34.1%。
その次は、「シングル実家暮らし」28.9%。

回答者1375人、平均年齢31.7歳。
「日経ウーマン」のサイトでアンケートに答えるぐらいだから、
かなりまじめな、働く女性が多いと推察するのですが、
それにしてはパラサイト率が高いような気も。

今は実家で暮らしているけど、
「ひとり暮らしをしてみたい」64.5%。
そのための「最大の課題」は「経済的な自立」50.4%。
ほんとに収入が少ないのか、甘えているのか、
たぶん両方なんでしょう。


記事の中心は、読者の「お宅訪問」で
賃貸ひとり暮らし17人のほか、
実家暮らし2人、分譲ひとり暮らし3人、賃貸DINKS2組を
詳細に取材しています。

全員がリビングの写真だけでなく、キッチンやクロゼットの中身、
さらには夕食メニューまで公開!

年収や家賃も詳細に書かれていて、
イマドキの女の子たちの現実が伝わってきます。

プチバブルに浮かれるチョイ不良オヤジと違って、
みんなけっこう堅実でつましく、けなげ。

くれぐれもだましたりしないでね。

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「住めば住むほど得する住宅」(「ニューズウィーク日本版」2007年3月14日号)

表紙にでかでかと「得する住宅」とありますが、
期待させるわりには、正直言って物足りない記事でした。

見開きの扉を含めても、わずか7ページの記事に、
いろんなネタを詰め込みすぎて、
論点があっちにいったり、こっちにいったり。
もったいない。

記事の主旨は、
建物の耐久性を高め、検査体制を整えて、
(欧米のように!)住宅の寿命、資産価値を伸ばせ、
ということのようだけれど、

たとえば途中、「デザイナーズ住宅」の話題に寄り道して、
「デザイン性が高いほど耐震性に劣る」
と言わんばかりの単純すぎる言説は、どうかと思う。

諸外国(といっても、アメリカ、イギリス、ドイツね)
の住宅文化・制度に学ぶ点がたくさんあることに
まったく異存はありませんが、

地震と火事の国土、木と紙の文化に生きてきた日本人と、
彼の国々とでは歴史が違いすぎる。

そもそも今の東京の住宅文化は、
焼け跡からせいぜい60年でつくられたもの。
「築150年近い建物を大切にする」「ロンドンの賢明さ」を見よ!
みたいな言い方されちゃうと
「単純に比べるな」と反論したくなってしまいました。

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チョイ不良オヤジのおウチ選び

思わず買ってしまいました、あの「LEON」。
中吊りに踊っていたのは、こんなコピー。

「今やただの高層マンションじゃキャラ立ちできません!
ちょい不良オヤジの別格不動産情報」

(「別格」は「プラチナ」と読みます!)

「本誌初となるおウチ選びの特集」だそうです。

すべての記事が「モテ」を目指す「LEON」。
おウチ選びも例外ではありません。
「高層マンションの最上階がモテる」というのは
「旧態依然とした成金的な発想」で、もう古いんですって。

では、「LEON」のオススメは何か。
指導を仰ぐのは、やっぱり「イタオヤ」ジローラモです。
なんでも、もとは建築家志望だったそうな。

で、その「イタリア的5カ条」は、こんな感じ。

1・テラスがデカい。
2・借景が楽しめる。
3・天井高は3m以上。
4・水辺に近い。
5・インテリアにはセンスが必要。

ダイナミックな借景で「ニキータの心を解放」し、
ふたりでデカいテラスでまったりしよう、ってわけ。

そのマンションが靑山あたりにあれば、
買い物疲れのニキータを「さり気に」エスコート、
気がつけば「あれ? いつのまにかおウチのなか(はぁと)」
という寸法なのでございます。

そんなオススメ物件としてグラビアで紹介されるのは、
「高級賃貸マンション」。撮影が可能だからでしょう。

分譲マンションに関しては、平成20年以降竣工の物件情報3件を「先出し」。
もちろん価格未定ですが、億ションは間違いないところだろうに、

「愛しのニキータとの初めてのおウチデートで強印象を残す」とか
「ニキータのリピーター化を確実に期待できますな」とか
「感度の高いニキータからも羨望の眼差し」とか。

いったいチョイ不良オヤジの家族構成はどうなってるんだ。

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バブル・オア・ノット(「週刊ダイヤモンド」06年12月23日号)

週刊ダイヤモンド2006年12月23日号
表紙には「地価狂乱!」と大書されています。

「住宅ライター」を名乗りつつ、不動産はからきし不案内な私。
一般情勢ぐらいはつかんでおこうよ、と購入したものの、
全30ページ、いまだ読破できていません(>_<)。

キャップレートだのアービトラージ(裁定取引)だの
ハードルの高い用語が並ぶこの特集。

冒頭で、岩沙弘道・三井不動産社長の
「この現象はバブルではない」という発言がひかれていますが、
同誌としての結論はどうなのか、
いまいち判然としません(まだ全部読んでないけど)。

土地神話に引きずられた過去のバブルに比べ、
現在は実需に基づいた「収益還元法」によって
価格設定されているからバブルではないのだ、
という論法もあるようですが、

とはいえ、その「実需」価格を引き上げたのが
銀座ではコーチやブルックス・ブラザーズ、
大阪・御堂筋ではルイ・ヴィトンといった
外資ブランドと聞くと
「ほんとに大丈夫なの?」と思ってしまいます。

不動産につぎ込まれている資金がREITというのも、
「だから物件の収益性が重視されるのだ」
ってホントですか。

不動産と金融の融合に、
なんとなく不穏な感触を抱いてしまう私は、
感覚が古いのでしょうか。

かの、桃源社・佐々木吉之助社長は
「バブルは三年後に崩壊する」と予言しています。
その見立て通り
「今回のミニバブルの主役は外資」
だとしたら、いきなりハシゴを外される可能性も、
なきにしもあらず、なのでは。

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遊牧美術館がやってくる。(「CasaBRUTUS」07年1月号)

「CasaBRUTUS」新年号はミュージアム特集です。
(てか、「ミュージアム建築」特集。そこは「Casa」なので、
コレクションや展示の内容にはほとんど触れてません、念のため。)

今年開館した主なミュージアムを中心に
最新作がコンパクトにまとめられていて、
「ミュージアムバブル」とまで呼ばれる
世界的な建築ラッシュを概観するのに便利です。

さらに、来年以降の内外の開館情報も掲載。

個人的には、特集末尾でインタビューに応じている、
坂茂さん設計の移動美術館「ノマディック美術館」が楽しみです!
ニューヨーク、サンタモニカ巡回を経て、
来年3月、ついにお台場に登場するそう。

坂さんと言えば、
阪神大震災後の紙管の仮設住宅でも知られる建築家。
ずっと前に、2度ほどお目にかかったことがありますが、
シャープな語り口が印象に残っています。

今回の「移動美術館」は、
巡回先で現地調達できる国際規格コンテナと、
お馴染み「紙管チューブ」を使って
組み立て・移動・再生する仮設建築なのだとか。

肝心の中身は、写真家グレゴリー・コルベールの展覧会
以前ある方にさわりを見せていただいたんですが、
これがすばらしいの。

さっそく、来年の手帳に会期を書き込みました。必見!

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仏壇が欲しい。(「モダンリビング」07年1月号)

モダンリビングの連載記事、「見えていないデザイン」。
深澤直人のデザインを藤井保の写真で見せるページで、
かっちりしたレイアウトフォーマットもかっこいいんです。

2007年1月号のvol.6に掲載されていた新作は、
なんと「仏壇」

「京都の伝統工芸のわざと現代デザインが融合した逸品」づくりを目指す
「WGD京都」の設立第一号商品で、
伝統工芸士・蒔絵師の下出祐太郎さんとのコラボレーションです。

仏壇をアイコン化したようなわかりやすいフォルム、
漆の黒の中に浮かび上がる、
さくらの花びらのようなプラチナの箔。

まさか仏壇を、「欲しい」と思ってしまうとは。

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「手建職」(「CONFORT」06年12月号)

コンフォルト12月号に載っていた、
大阪・羽曳野の塗料やさん「ナカジマ」の話がおもしろかった。

記事は「インテリアに効く色」という特集の一部で、
だから本題は、ベンガラ塗り初め、顔料についてなんだけど

それよりも、主人・中島留彦さんの思い出話が味わい深い。

かつて羽曳野一帯には
「てったい」=「手建職」という職人さんがいて、
ベンガラを塗ったり木舞を編んだりといった、
大工の手元仕事やその指導にあたったのだとか。

「指導」とは、
その家の家族や近所の人に塗り方を教えるってことで、
家を建てるときには、みんな総出で木材の色付けをしたわけです。


どんな昔のことかと思って読み進めると、
中島さんはまだ47歳。
そのお父さんが「てったい」だったというから
せいぜい数十年前のお話です。


ほんのちょっと前まで、
日本人はこんな家づくりをしていたんですね。

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「東南角部屋」がいいですか? (「EXE」vol4)

引き続き、雑誌「EXE」vol.4の山下和之さんの記事より。

マンション住戸の「方位」によって
値段がどう変わるか。という表が載っていました。

南向きの中住戸の価格を基準にすると、
東南・西南の角住戸は5%アップ、
北東角は3%、北西角は1%アップ。
これが、北向きの中住戸となると
逆に5%低くなるとのこと。

計算の根拠も出典も示されてはいませんが、
本文によると「一般的な不動産業界の常識」
なのだそうです。


北向きでも、角部屋だと南の中住戸より高いんですね。
通風や眺望、「他住戸に接する部分が少ない」
ということが価値になるのでしょうか。

そして、やっぱりというか当然というか、
北向き中住戸はいちばん安い。


ただこれも、眺望などの条件によって
変わってくるのだとか。

山下さんも
「どの向きがいいかは、
その人の好みやライフスタイルによっても
違ってくるのではないだろうか」
と書いておられます。

この「人によって違う価値」と
「一般的な価値」がずれているとき、
「お買い得」を見つけることが可能になるかも。

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「眺めのいい部屋」のお値段(「EXE」vol.4)

やや旧聞になりますが雑誌「EXE」vol.4に山下和之さんが書いていらした

「眺望」という価値

と題した記事を読みました。
サブタイトルは、「好きな景色は資産になるのか」。


結論から言うと、なるようなのですね。
「好きな景色」が普遍的なものならば。


記事中、不動産市場科学研究所代表取締役の
不動産鑑定士・浅利隆文氏による解説が勉強になりました。

「不動産鑑定においては“階層別効用比”という考え方があります。
何階部分にあるのかという点を、
眺望、安全性、利便性等などの各種の要素から
プラスマイナス評価して評価していくわけですが、
なかでも最も重視されるのが眺望といえるでしょう。」


眺望という、どちらかというと主観的で情緒的な価値が、
安全性や利便性という実利より重視されるとは
少し意外でしたが、

考えてみれば、「眺望がいい」という条件は
それだけ希少性が高いということかもしれませんね。


余談ですが、思わず知りたくなったのは、
果たして、眺望の価値は、昔から変わらず高かったのか?
と、いうことです。


今でこそ、超高層マンションが人気を集め、
「眺望」がセールスポイントになっていますが、


昔の高層マンションって、
たとえば高島平や光が丘の団地でしょう・・・?
眺望に配慮されていたかどうか・・・


マンションを買うときに、「眺望」にまで意識が回るようになったのは
もしかしたら、ごく最近のことじゃないのかしら、
という気がしなくもないのです。

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