カテゴリー「11・アート&デザイン」の記事

尾形光琳の国宝屏風、56年ぶりの邂逅---「燕子花」と「紅白梅」

東京・青山の根津美術館で5月17日まで開催中の

会期も終わりに近付き、庭の燕子花も盛りを過ぎてしまいましたが
最後の一週間は夜19時まで開館しています(入館は18時半まで)。

今年は「燕子花図」に加え、MOA美術館所蔵の「紅白梅図」と国宝屏風揃い踏み!
やはり、間近で見ると迫力が違います。幻想的な屏風の世界に吸い込まれそうでした。

「燕子花図」は伊勢物語「八橋」の段、在原業平の東下りの段に取材しているとされるのに
「橋も人物も描かれていない」とよく言われますが、
近付けば絵の中に入り込み、自分自身が登場人物であるかのように感じられるのです。

そして、「紅白梅図」! どれだけ見ていても見飽きません。
2本の梅の幹の姿も枝振りも、可憐な花々も、中央を流れる抽象画のような水流も。

その上、今回の展示では同じ空間に俵屋宗達の重文屏風「蔦細道図」も並んでいるのです。
まさに壮観!!

ほか、光琳のバックグラウンドになったという光悦謡本や、
光琳がデザインした工芸品の数々、弟・乾山との合作陶器も見ものです。
私は特に「流水図乱箱」の内側の絵が気に入りました。ここだけ見たらまるで現代アート。
金と青の色彩の対比もシンプルにして華やか、超モダン!

見逃せません。

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国立新美術館「マグリット展」

国立美術館で6月29日まで開催中のマグリット展に行ってきました。
同時開催のルーヴル美術館展と両方見れば、当日100円引きです。

国内では13年ぶりの回顧展とのことですが、
何よりもまず、その充実ぶりに圧倒されました。
世界各国から集められた作品は、約130点!
比べるのはおかしいかもしれないけれど、ルーヴル展より50点ばかし多い。
個人蔵の作品も数多く含まれているので、これは貴重な鑑賞機会かもしれません。

商業デザインに携わった期間が長いだけに、平明な描写表現、
ある意味分かりやすいといえなくもないシュールな世界。
文字もたくさん描き込まれているので、
初歩的なフランス語の知識はあったほうがいいかも。
(そのぐらいの注釈、キャプションに付けてくれたらいいのに...)

個人的には、戦前戦後の短い間に突如表れる、
ルノワール風やフォーヴィズム風の作品が新鮮でした。
こんなの描いてたんだ...。

とはいえ、最も多く展示されているのは円熟期の作品です。
王道の回顧展ではないでしょうか。

【この展覧会、私の一点】
人物のいない「光の帝国」、1950年の作。
明るい青空の下に、闇に沈む街並みがあり、一本の街灯が光を放つ。
絵本の1ページのような、静謐で美しい作品です。

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フェルメール「地理学者」と「天文学者」

現存するフェルメールの作品は、わずか30数点。
そう考えると、東京でただじっと待っているだけの割には、
けっこうな点数を見てきたといえるかもしれない。
中でも、2点しかないという男性単身像は、2点とも見たことになります。

これと対になっている「天文学者」を見てきました。

前者には地球儀、後者には天球儀が描きこまれていて、
そのどちらも、いつ、誰によって製作されたものか解明されているほど、精密に描写されています。

画面左に窓、人物の奥にキャビネットがあり、壁に絵が飾られた構図も同じ。
それぞれの机にはゴブラン織りの布が掛けられているなど、要素も似ている。

でも、よく似た窓は欄間の形が違うし、
地理学者は立っていて、天文学者は座っているなど、
それぞれに異なり、見比べていると飽きることがありません。

モデルの顔はなぜかぼかされているけれど、同一人物のように見える。
そして、着衣の色は「地理学者」がブルー、「天文学者」はグリーン。
両方とも「ヤポンス・ロック」=「日本の上着」というのも、日本人の心をくすぐります。

2つの絵が描かれた1668年・1669年といえば、日本は江戸幕府四代将軍徳川家綱の時代。
つまり、長崎でオランダと通商していた頃ですね。

そのときオランダにもたらされた日本の着物(の模造品)が、
彼の地の裕福な市民の間で流行していたことに思いを馳せると
ますます感興は深くなります。

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ルーヴル美術館展 日常を描くー風俗画にみるヨーロッパ絵画の神髄

国立新美術館で6月1日まで開催中の「ルーヴル美術館展」に行ってきました。

膨大なコレクションを誇るルーヴル美術館ゆえ、
企画展もその都度、趣向を凝らして編集されるようです。

直近の東京での「ルーヴル美術館展」といえば、一昨年の東京都美術館
このときのテーマは、ヨーロッパ文化揺籃の地「地中海」。
つまり、「地理」の軸でルーヴルが擁する8美術部門を串刺しにするものでした。

対して、今回のテーマは「風俗画」。つまり「ジャンル」軸です。

展示には2段構えの「プロローグ」があり、
まず、オリエントやエジプトなど古代美術部門から、風俗画の起源を示し、
次に、「歴史画」「肖像画」「風景画」「静物画」という
他ジャンルの作品と比較しながら「風俗画」を位置付けて見せます。

本編は16世紀初頭から19世紀半ばまでのヨーロッパ各地の名画の数々。
時間も地域も超えて「労働と日々」「室内の女性」など主題別に展示されています。
人々の日常生活の情景が描かれているだけに、
見る人もイメージが膨らむのか、観覧者同士のおしゃべりが弾んでいました。

ただ、作品を深く理解するためには
それぞれが描かれた地域や時代背景を知りたいところ。
せめて、その作家が活躍した国(が、今のどこの国に該当するか)ぐらい
キャプションに書き込んであればいいのに、と思いました。
もっとも、表記をどう統一するかと考えれば、かなり難しそうですが。

「風俗画」といわれると、いろんな意味でスケールが小さい印象もありますが、
誰にも見覚えがあるような傑作も多数出展されています。
目玉はもちろんフェルメールの「天文学者」でしょう。これについては稿を改めます。

ヴェネツィア派の巨匠ティツィアーノ、クエンティン・マセイスやブリューゲル、
スペイン・バロックのムリーリョ、ロココのヴァトー、ブーシェ、シャルダン...と
どれもじっくり鑑賞できて感動的でした。

【私の一点】
この展覧会で出会った印象的な一点は「コローのアトリエ」。たぶん初見。
1873年頃の制作とあるので、コロー晩年の作品ですね。
マンドリンを手にカンバスを見つめる、後ろ姿の若い女性、
アトリエの風景とカンバスの中の風景の対比。物語があって、愛らしい小品でした。

写真は1983年のバルビゾンの街。すっかりセピア色ですね。
生まれて初めての海外旅行(主目的はパリ)でした。
駅からタクシーで行って、迎えに来てもらうまで、
時間をつぶすのに苦労した思い出が(^^ゞ

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明治のこころーモースが見た庶民のくらし

江戸東京博物館で12月8日まで開催中の
に行ってきました。
副館長・小林淳一さんによる解説付きの贅沢な見学会でした。

 

展示品は、全米最古の博物館と言われる
アメリカ・マサチューセッツ州セイラムの
“モース・コレクション”を中心としています。

 

そのコレクションとはどんなものか、
展覧会フライヤーのこのコピーが象徴しています。

 

「日本がなくしたものを、彼がとっておいてくれた。」

 

大森貝塚の発見者として知られるE・S・モースは
合計3回来日し、3回目の来日は、
博物館資料としての民具収集を目的としていました。

 

彼が集めたのは、高価な工芸品や美術品ではなく
市井の人々の日常の暮らしの道具。
彼の手に入っていなければ、捨てられていたはずのモノたちです。

 

会場には、
履きつぶして歯がすり切れた下駄や、
墨で真っ黒に塗りつぶされた手習い帳などが
麗々しくガラスケースに収めて展示されていて、
思わず笑みを誘われます。

 

これらの品々に、
当時の日常生活を活写した彩色写真と
モースの手による洒脱なスケッチ、
モースの日記から採られた珠玉の言葉が組み合わせられ、
タイトル通り、明治の人々の「こころ」を
いきいきと描き出す展示になっています。

 

小林さん曰く、この展覧会はとにかく会場が賑やかだそう
展示されている日用品を見て
自分自身の幼少時や祖父母・曾祖父母の日常を思い出し、
同行者に何か言わずにはいられなくなる観覧者が多いよう(笑)。

 

また、日本を愛したモースの言葉には、
私たち日本人の自尊心をくすぐるものが多く、
それも嬉しくなってしまう理由です。
たとえばこんな感じ...

 

「(外国人が)道徳的教訓の重荷になっている
善徳や品性を、日本人は生れながらに
持っているらしい」

 

「人々が正直である国にいることは
実に気持ちがよい」

 

「この地球の表面に棲息する文明人で
日本人ほど、自然のあらゆる形況を
愛する国民はいない」

 

これらの美質のいくばくかは今も受け継がれている、
と思うけれども、明治の頃に比べれば、果たして...。

 

楽しくてほほえましくて、おしゃべりがはずんで、
そして今の「日本」について、
ちょっぴり考えさせられてしまう展覧会でした。

 

 

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「明治のこころ モースが見た庶民のくらし」
会場:江戸東京博物館 1階展示室 (東京都墨田区横網1-4-1)
会期:2013年9月14日(土)〜12月8日(日)
開館時間:午前9時30分〜午後5時30分(土曜日は7時30分まで) 
※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日(11月4日は開館)、11月5日(火)は振替休館

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横山大観展 良き師、良き友

過日、横浜美術館で開催中の「横山大観展 良き師、良き友」
の夜間特別鑑賞会に参加してきました。

担当の主任学芸員、八柳サエさんの
熱のこもったレクチャーを楽しく拝聴したあと
いざ、閉館後の展示室へ!

エントランスでは、壮年期(41歳頃)のイケメン大観がお出迎え。
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この写真が示すように、この展覧会では、

さまざまな画題・画法を探求した、「大正期の大観」に焦点が当てられています。
「巨匠」「富士山」という、晩年の大観のイメージとは、ちょっと違う。
ちょっと鼻息が荒く、アツい感じの若き大観の息吹が伝わってきます。

展示の皮切りは、岡倉天心に学んだ美術学校の卒業制作「村童観猿翁」。
村の童子たちは、同級生たちの幼少時を想像して描いたことで、
仲間内でも話題を呼んだとか。なかなかお茶目です。
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※夜間特別観覧のため、特別に撮影許可がおりました。

表題の通り、展示は「良き師(岡倉天心)」の影響下にあった時期に始まり
4人の「良き友(今村紫紅、小川芋銭、小杉未醒、冨田溪仙)」との交流、
そこから大観を含む5人がどのように画業を発展させていったかを概観します。
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仲間たちのうち、早逝した紫紅の作品と、
大観による紫紅へのオマージュと思われる同テーマの作品が並んでいたり...。
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19歳当時の千利休のエピソードを描いた大観の大作(前期10月末までの展示)。
見応えありました。
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当代の人気画家、山口晃さんによる、
良き師、大観、良き友たちの肖像画もお楽しみのひとつ。
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1時間半とたっぷりの鑑賞時間、音声ガイドも無料と、
至れ尽くせりの鑑賞会、主催者には感謝のひとことです。
(にもかかわらず、ブログアップが遅れてスミマセン…)

お隣のマークイズには、後期展示予定の大作「夜桜」が…

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みなとみらいの商業施設では、この展覧会とのコラボメニューや
割引を用意しているところが多数あり! 
後期は展示替えがあるので、今度は日中に、ゆっくり再訪したいと思います。

「横山大観展 良き師、良き友」@横浜美術館
前期展示は10月30日まで。後期展示は11月1日〜11月24日です!
休館日は木曜日なのでお間違えなく。

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現代美術入門に最適! フレンチ・ウィンドウ展@森美術館

オノ・ヨーコさんの講演に行ったとき
森美術館の「フレンチ・ウィンドウ展」の招待券をもらったので、
昨日の雨の中、出掛けてきました。2度目です。

展覧会の副題は「デュシャン賞にみるフランス現代美術の最前線」。
デュシャン賞とは、フランスのコレクター団体「ADIAF」が主催する、
現代アートの賞のこと。
マルセル・デュシャン本人の作品を皮切りに、
同賞の受賞作家を紹介するという趣旨です。

展覧会タイトルの「フレンチ・ウィンドウ」は、フランス窓をモチーフにした、
デュシャンの代表作「フレッシュ・ウィドウ」に掛けたもの。
さらに、フランスの強者コレクターたちが切り取った窓を通して、
現代アートを展望しようという意味が掛けられています。
とても粋なタイトルだけど、集客力、という点では「?」かも…(笑)。

展示中のコピーにもありますが、
マルセル・デュシャンの作品群には、現代アートのあらゆるテーマが含まれている。
その名を冠した賞の受賞作群もまた、幅広いテーマを網羅するものになっています。

さらに、ひとつひとつの作品にとても丁寧な解説が付けられていますから、
「現代アートはわからない」という人の入門にも最適。

森美術館の広い展示室を生かした、ゆったりした展示で、気持ちよく鑑賞できます。

会期は8月28日(日曜)まで。

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オノ・ヨーコさんの言葉

昨日、森美術館主宰のMAMアートコース最終回の
オノ・ヨーコさんの講演を聴いてきました。タイトルは「希望の路」

10月16日まで広島市現代美術館で行われている、第8回広島賞受賞記念展
リンクしての講演です。

当初は「長崎への路」というタイトルで計画していたというこの企画、
3・11の震災を受けて、「希望の路」に変更したそうです。

講演は、展覧会の紹介もそこそこに、
過半の時間が会場の参加者との質疑応答に費やされました。

オノ・ヨーコさんと直接言葉を交わす、というまたとない機会に、
興奮と緊張で言葉が上滑り気味の質問者も少なくない中、
それぞれの意をすくいあげて、即座に、真摯に、やさしく
的確な言葉を返していくヨーコさん。

質疑の中で、ヨーコさん自身が「言葉の力がいかに強いか」を語っていましたが
その繰り出す言葉は、どれもとてもシンプルで力強くて、
勇気を与えてくれるものばかりでした。

耳を傾けるのに夢中でメモをとらなかったので、正確な文言ではありませんが
私の心に残ったヨーコさんの言葉を、私なりに整理して以下に紹介したいと思います。

(3・11後、何をすればいいかわからない、という質問者たちに)
「あなたの世界で、精一杯、あなたができることをすればいい。
私たちにはそれしかできないし、それだけでいい」
「あなたが自分らしくあろうと努力するだけで、まわりにいい影響を与えることができる」
「海面に小さな石をひとつ投げるだけで、世界の海を変えられる」

(原発推進派やシニカルな傍観者などを説得したい、という質問者たちに)
「人を説得するには事実しかありません。事実が人の考えを変えていくでしょう」
「意見の異なる人を言葉で説得するのは難しい。
それよりも、あなたが信念に沿って行動すれば
その態度を見て、相手が影響を受けることでしょう」

「(ジョンとの)“ベッドイン”のとき、すぐにも世界が平和になると思ったけれど、
そうはならなかった。 時間はかかります。
でも、広島に原爆が落とされた直後、広島が今のようなすばらしい街になるとは
 誰も思っていなかったはず。 だから、未来は開かれているのです」

(ヨーコさんの作品を見て感動した、という質問者に)
「その感動はあなたがつくったものです。 Audience Participation.
私は少し扉を開いたけれど、その先に路をつくったのはあなたです。
その感動は、あなたと私がつくったものなのです」

それにしてもヨーコさん、声に張りがあって、姿が凜として、
なんともいえずカッコよかった!
思わず生まれ年を確認したら、なんと私の母と同年生まれ(78歳)でした!
同じ女性として、こんなふうに年を取りたい、
というお手本を見付けました。

【余談】
ヨーコさんの言葉以外にも、感じ入ったできごとがひとつありました。
会場では、ヨーコさんに質問したいと希望者が列をなしましたが、時間は限られています。
しかし、司会者が「質問はあとお二人まで」と声をかけても、
誰も列から離れようとはしません。
そこで、森美術館館長の南條史生さんは
「列に残っている方たちで勝ち抜きじゃんけんをしてください」と誘導。
みんなが納得して気持ちよく引き下がることができる、みごとな機転だと思いました。

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DOMANI・明日展2009@国立新美術館

例によって会期終了ぎりぎりに、
国立新美術館「未来を担う美術家たち-DOMANI・明日展2009」に行ってきました。
タイトルから推して、若手作家ばかりかと思えばそうでもない。

HPには出品作家12名全員の名前は載っていないようなので、
ここに挙げておきましょう。

タピストリー・ワークの久保田繁雄
美術史出身の画家・吉仲正直
漆造形で異文化を融合させる栗本夏樹
天井の高い空間を生かしてインスタレーションを展開した吉田暁子
油彩表現で繊細な触覚を呼び覚ます伊庭靖子
都市を俯瞰し、変容させる写真家・安田佐智種
植物的なフォルムと鮮やかな色彩と独特の質感の彫刻・礒崎真理子
自らのアイデンティティを問い続ける呉亜沙
廃材やテラコッタで「想い出」を具象化する彫刻家・高野浩子
ビデオ&インスタレーションの三田村光土里
陶でレリーフをつくる彫刻家・藤原彩人
日本画の手法で樹木を抽象的に描く浅見貴子


結論からいえば、期待以上におもしろい展覧会でした。
出展作品はさほど多くないのに、ついつい長居してしまった。

作家紹介を主眼にしているだけに、
個々の作家の経歴が掲出されており、
なおかつ、ほとんどの作家が自ら作品に説明を加えています。

とくにコンテンポラリーは、
作家のバックグラウンドや制作意図を知って見れば興が増します。
何よりそこが、この展覧会が面白かったポイントかも。

12人、1ブースずつという展示も、一度に消化しやすくちょうどよかった。


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NO MAN'S LAND@フランス大使館

取り壊しを前にしたフランス大使館の旧庁舎で行われている
アートイベント、「NO MAN'S LAND」に行ってきました。
職員が退去したあとの庁舎を舞台に、
日本とフランス、ほか各国のアーティストが
作品を展示するインスタレーションです。

直島「家プロジェクト」でも妻有アートトリエンナーレでも、
「廃屋を舞台にしたサイト・スペシフィック・アート」は
すでにお馴染みなので、手法に新味はないけれど、
ふだん入れない「大使館」の奥まで入れるのがミソ。
機密の通信に使われていたという、巨大な金庫みたいな部屋も
アートになって公開されています。

1957年に竣工した庁舎は、傾斜地を生かしたコートハウス風のモダンな建物。
設計は、高級官僚出身の若き建築家、ジョゼフ・ベルモンです。

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ここがエントランス。階段の上に中庭が見えます。

内部は、廊下に沿って小さな部屋がずらーっと並ぶ構成。
大勢が机を並べられるような大部屋はありません。
さすが個人主義で知られるフランス人、
みんな個室で働いていたのだろうか・・・。

新しい庁舎の間取りも気になるところです。

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こちらが旧庁舎に隣接する新しい庁舎。

旧庁舎跡地には、野村不動産がマンション建てて分譲するようです・・・。


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