カテゴリー「11・アート&デザイン」の記事
国立新美術館「マグリット展」
フェルメール「地理学者」と「天文学者」
ルーヴル美術館展 日常を描くー風俗画にみるヨーロッパ絵画の神髄
国立新美術館で6月1日まで開催中の「ルーヴル美術館展」に行ってきました。
対して、今回のテーマは「風俗画」。つまり「ジャンル」軸です。
明治のこころーモースが見た庶民のくらし
横山大観展 良き師、良き友

この写真が示すように、この展覧会では、





お隣のマークイズには、後期展示予定の大作「夜桜」が…

現代美術入門に最適! フレンチ・ウィンドウ展@森美術館
オノ・ヨーコさんの講演に行ったとき
森美術館の「フレンチ・ウィンドウ展」の招待券をもらったので、
昨日の雨の中、出掛けてきました。2度目です。
展覧会の副題は「デュシャン賞にみるフランス現代美術の最前線」。
デュシャン賞とは、フランスのコレクター団体「ADIAF」が主催する、
現代アートの賞のこと。
マルセル・デュシャン本人の作品を皮切りに、
同賞の受賞作家を紹介するという趣旨です。
展覧会タイトルの「フレンチ・ウィンドウ」は、フランス窓をモチーフにした、
デュシャンの代表作「フレッシュ・ウィドウ」に掛けたもの。
さらに、フランスの強者コレクターたちが切り取った窓を通して、
現代アートを展望しようという意味が掛けられています。
とても粋なタイトルだけど、集客力、という点では「?」かも…(笑)。
展示中のコピーにもありますが、
マルセル・デュシャンの作品群には、現代アートのあらゆるテーマが含まれている。
その名を冠した賞の受賞作群もまた、幅広いテーマを網羅するものになっています。
さらに、ひとつひとつの作品にとても丁寧な解説が付けられていますから、
「現代アートはわからない」という人の入門にも最適。
森美術館の広い展示室を生かした、ゆったりした展示で、気持ちよく鑑賞できます。
会期は8月28日(日曜)まで。
オノ・ヨーコさんの言葉
昨日、森美術館主宰のMAMアートコース最終回の
オノ・ヨーコさんの講演を聴いてきました。タイトルは「希望の路」
10月16日まで広島市現代美術館で行われている、第8回広島賞受賞記念展と
リンクしての講演です。
当初は「長崎への路」というタイトルで計画していたというこの企画、
3・11の震災を受けて、「希望の路」に変更したそうです。
講演は、展覧会の紹介もそこそこに、
過半の時間が会場の参加者との質疑応答に費やされました。
オノ・ヨーコさんと直接言葉を交わす、というまたとない機会に、
興奮と緊張で言葉が上滑り気味の質問者も少なくない中、
それぞれの意をすくいあげて、即座に、真摯に、やさしく
的確な言葉を返していくヨーコさん。
質疑の中で、ヨーコさん自身が「言葉の力がいかに強いか」を語っていましたが
その繰り出す言葉は、どれもとてもシンプルで力強くて、
勇気を与えてくれるものばかりでした。
耳を傾けるのに夢中でメモをとらなかったので、正確な文言ではありませんが
私の心に残ったヨーコさんの言葉を、私なりに整理して以下に紹介したいと思います。
(3・11後、何をすればいいかわからない、という質問者たちに)
「あなたの世界で、精一杯、あなたができることをすればいい。
私たちにはそれしかできないし、それだけでいい」
「あなたが自分らしくあろうと努力するだけで、まわりにいい影響を与えることができる」
「海面に小さな石をひとつ投げるだけで、世界の海を変えられる」
(原発推進派やシニカルな傍観者などを説得したい、という質問者たちに)
「人を説得するには事実しかありません。事実が人の考えを変えていくでしょう」
「意見の異なる人を言葉で説得するのは難しい。
それよりも、あなたが信念に沿って行動すれば
その態度を見て、相手が影響を受けることでしょう」
「(ジョンとの)“ベッドイン”のとき、すぐにも世界が平和になると思ったけれど、
そうはならなかった。 時間はかかります。
でも、広島に原爆が落とされた直後、広島が今のようなすばらしい街になるとは
誰も思っていなかったはず。 だから、未来は開かれているのです」
(ヨーコさんの作品を見て感動した、という質問者に)
「その感動はあなたがつくったものです。 Audience Participation.
私は少し扉を開いたけれど、その先に路をつくったのはあなたです。
その感動は、あなたと私がつくったものなのです」
それにしてもヨーコさん、声に張りがあって、姿が凜として、
なんともいえずカッコよかった!
思わず生まれ年を確認したら、なんと私の母と同年生まれ(78歳)でした!
同じ女性として、こんなふうに年を取りたい、
というお手本を見付けました。
【余談】
ヨーコさんの言葉以外にも、感じ入ったできごとがひとつありました。
会場では、ヨーコさんに質問したいと希望者が列をなしましたが、時間は限られています。
しかし、司会者が「質問はあとお二人まで」と声をかけても、
誰も列から離れようとはしません。
そこで、森美術館館長の南條史生さんは
「列に残っている方たちで勝ち抜きじゃんけんをしてください」と誘導。
みんなが納得して気持ちよく引き下がることができる、みごとな機転だと思いました。
DOMANI・明日展2009@国立新美術館
例によって会期終了ぎりぎりに、
国立新美術館「未来を担う美術家たち-DOMANI・明日展2009」に行ってきました。
タイトルから推して、若手作家ばかりかと思えばそうでもない。
HPには出品作家12名全員の名前は載っていないようなので、
ここに挙げておきましょう。
タピストリー・ワークの久保田繁雄
美術史出身の画家・吉仲正直
漆造形で異文化を融合させる栗本夏樹
天井の高い空間を生かしてインスタレーションを展開した吉田暁子
油彩表現で繊細な触覚を呼び覚ます伊庭靖子
都市を俯瞰し、変容させる写真家・安田佐智種
植物的なフォルムと鮮やかな色彩と独特の質感の彫刻・礒崎真理子
自らのアイデンティティを問い続ける呉亜沙
廃材やテラコッタで「想い出」を具象化する彫刻家・高野浩子
ビデオ&インスタレーションの三田村光土里
陶でレリーフをつくる彫刻家・藤原彩人
日本画の手法で樹木を抽象的に描く浅見貴子
結論からいえば、期待以上におもしろい展覧会でした。
出展作品はさほど多くないのに、ついつい長居してしまった。
作家紹介を主眼にしているだけに、
個々の作家の経歴が掲出されており、
なおかつ、ほとんどの作家が自ら作品に説明を加えています。
とくにコンテンポラリーは、
作家のバックグラウンドや制作意図を知って見れば興が増します。
何よりそこが、この展覧会が面白かったポイントかも。
12人、1ブースずつという展示も、一度に消化しやすくちょうどよかった。
NO MAN'S LAND@フランス大使館
取り壊しを前にしたフランス大使館の旧庁舎で行われている
アートイベント、「NO MAN'S LAND」に行ってきました。
職員が退去したあとの庁舎を舞台に、
日本とフランス、ほか各国のアーティストが
作品を展示するインスタレーションです。
直島「家プロジェクト」でも妻有アートトリエンナーレでも、
「廃屋を舞台にしたサイト・スペシフィック・アート」は
すでにお馴染みなので、手法に新味はないけれど、
ふだん入れない「大使館」の奥まで入れるのがミソ。
機密の通信に使われていたという、巨大な金庫みたいな部屋も
アートになって公開されています。
1957年に竣工した庁舎は、傾斜地を生かしたコートハウス風のモダンな建物。
設計は、高級官僚出身の若き建築家、ジョゼフ・ベルモンです。
内部は、廊下に沿って小さな部屋がずらーっと並ぶ構成。
大勢が机を並べられるような大部屋はありません。
さすが個人主義で知られるフランス人、
みんな個室で働いていたのだろうか・・・。
新しい庁舎の間取りも気になるところです。
旧庁舎跡地には、野村不動産がマンション建てて分譲するようです・・・。
より以前の記事一覧
- 内藤礼展@神奈川県立近代美術館 鎌倉 2010.01.11
- 東京美術館巡り「ぐるっとパス」の使い勝手 2009.08.05
- 六本木アートナイト 2009.03.29
- ジム・ランビー@原美術館 2009.03.27
- ふたつの「アーツ&クラフツ」展 2009.02.06
- ランドスケープ-島尾敏雄展 2009.02.01
- ART @ AGNES ファイナル 2009.01.12
- Akasaka Art Flower 08 2008.10.09
- 柳宗理展@広島市現代美術館 2008.05.17
- SPACE FOR YOUR FUTURE@MOT 2007.11.28
- 東京デザイナーズウィーク&デザインタイド 2007.11.05
- 六本木クロッシング2007@森美術館 2007.10.30
- 安斎重男@国立新美術館 2007.10.16
- スキン+ボーンズ@国立新美術館 2007.08.17
- 「時光--蔡國強と資生堂」@資生堂ギャラリー 2007.08.11
- 荒木珠奈さんの新作@ポーラ ミュージアム アネックス 2007.07.18
- 若冲展@京都・相国寺 2007.06.12
- 「日本美術が笑う」&「笑い展」@森美術館 2007.04.22
- 異邦人たちのパリ@国立新美術館 2007.04.15
- シンワアートオークション 2007.04.13
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- オルセー美術館展@東京都美術館 2007.03.11
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- 金継ぎ 2007.01.22
- The Vehicle 2007.01.21
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