Posts categorized "11・アート&デザイン"

Wednesday, 05 August 2009

東京美術館巡り「ぐるっとパス」の使い勝手

気がつけば2カ月ものご無沙汰。
6月、7月は目の前のことに追われるままに過ごしてしまいました・・・・
この間、何をしていたかはおいおいご報告するとして。

このところ、新しい企画の準備のために、
時間を見付けては都内の美術館を回っています。
そのために「ぐるっとパス」を買ってみました。

これは、都内の美術館・博物館66施設の
入場券と割引券を一冊に綴ったもの。

1冊2000円、有効期間は購入日から2カ月。短いですね。
旅行で東京に来ている人ならともかく、
仕事しながら2カ月で回れる数はしれているでしょう。
果たしてこれはほんとにお得なのか?

国立博物館や近代美術館など大型館の企画展に対しては、
入場券ではなく、100円引き、200円引きの割引券。
従って、相当回らないとモトはとれません。

けれども、小規模な私立美術館や常設展向けには
おおむね入場券が綴られている。
通常、入場料は安くても500円ぐらい、
ふつうは800〜1000円ぐらいするので
3〜4館回れば十分おトクになるわけです。

ちなみに今回の私の美術館巡りの主な目的は
各館のコレクションチェックにあるので、
このパスはかなり有効でした。
この機会に、今まで近くても行ったことのなかった
小さな美術館にも入ってみたりしました。

とはいえ、購入からもうすぐ2カ月で、
使ったチケットはやっと66枚中9枚。
すでに十分モトはとっているけれど、
行きたくて行けずじまいの館も多いと思うと、やっぱり惜しい。

また買うか、と言われれば、、、ちょっと考えものですが。

本日の結論。

東京または近郊在住の場合、
「ぐるっとパス」は
「大倉集古館」「出光美術館」「三井記念美術館」
「ブリヂストン美術館」「畠山記念館」「五島美術館」
などの美術館に、「漠然と興味はあるけど行ってない」
という人におすすめ。

「ぐるっとパス」の期限が背中を押してくれるので、
近いがゆえにかえって足を運ばなかった美術館にも
出掛ける動機ができます。

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Sunday, 29 March 2009

六本木アートナイト

日没から日の出までが「コアタイム」のアートイベント。
20時の待ち合わせのため赤坂から六本木に向かったら、
光る風船を持ったパレードとすれ違いました。

六本木ヒルズに着いた頃には、メインイベントの境目だったので、
夕食ののち、ヤノベケンジさんのトークイベントへ。
アトムスーツを着て「大陽の塔」の目玉に上るゲリラパフォーマンスの映像、
「トラやんの大冒険」の映画、ブラックながら笑えて、とても面白かったのですが、
春の夜寒に負けて途中退散。
上の写真がImage387「ジャイアント・トラやん」です。

裏テーマは「万博」?
中の写真は、大阪万博当時から「霧の彫刻」を手掛けていたという
中谷芙二子さんのインスタレーション。Image389毛利庭園が「霧の庭」になっています。

帰り道、ミッドタウンを通りかかると、
前述の光る風船が芝生広場で揺れていましたImage395(下の写真)。
仕掛け人は平野治朗さん。
無数の風船は、人魂のようです。
背後は夜桜。
「桜の樹の下には」by梶井基次郎を想起しました。

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Friday, 27 March 2009

ジム・ランビー@原美術館

年明け早々見に行って、ホントはすぐブログに書くつもりでした、
品川・原美術館で開催中の
「ジム・ランビー アンノウン・プレジャーズ」

書きそびれているうちに、そろそろ終わっちゃうなあ・・・と思っていたら、
会期が5月10日までに伸びたというので、
ぜひお勧めしたいと思った次第。

原美術館のギャラリーの床一面に、
白と黒のビニールテープで描かれた、ストライプの渦巻き。
廊下も階段も含めた空間そのものを、まるごと使ったインスタレーションです。
でも映像や仕掛けはなしの、静的なインスタレーションというところも、
私は好き。

白黒渦巻き模様の上にコンクリートのオブジェが点在するさまは、
まるでポップな「枯山水」です。
どうも、日本人はみな同じ感想を持つようで、
あちこちの展評に似たようなことが書いてあって苦笑しました。

けれども、ジム・ランビーのもともとの意図は「レコードの溝」だったらしい・・・。
確かに、コンクリートのオブジェに埋め込まれたものをよくよく見ると、
レコードジャケットの背表紙なのでした。

「Unknown Pleasures」、未知の快楽というタイトルも
何かの楽曲のタイトルらしいけれど

ポップな枯山水の中を歩くのはとても楽しく、
確かに「Unknown Pleasures」を感じました。


付け足しますと、
昨日発売された講談社・セオリー「新・土地のグランプリ」に
原美術館も登場する記事を書きました。
タイトルは「人気住宅街物語」。

お出掛けの節は、ぜひご一読ください。
(ソレガ イイタカッタノカ)

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Friday, 06 February 2009

ふたつの「アーツ&クラフツ」展

去年の暮れから先月18日まで、パナソニック電工の汐留ミュージアムで。
そして、翌週24日から東京都美術館で。

立て続けに「アーツ&クラフツ」展が開かれています。

両方が連動しているわけではないのだな、と思うのは、
かたや「アーツ・アンド・クラフツ」
かたや「アーツ&クラフツ」と表記が違うから。

現在開催中の都美術館のほうは、
企画:ヴィクトリア&アルバート美術館、
主催:東京都美術館&朝日新聞社、とあって、出品点数は280点に上ります。
(汐留ミュージアムは140点。ハコの大きさからすればがんばってる!)

一方、展示内容を振り返ると、
汐留は副題に<イギリス・アメリカ>とあるとおり、
モリスから始まって、アーツ・アンド・クラフツ協会、
グラスゴーのマッキントッシュと続き、
最後は「アメリカに渡ったアーツ・アンド・クラフツ」、
フランク・ロイド・ライトで締め括る構成。

都美術館のほうは、
英国発のアーツ&クラフツがヨーロッパに広がる様子を追い、
オーストリア、ドイツ、ハンガリー、ロシアと続いて、
最後は日本の「民芸」運動にたどり着き、
柳宗悦らが建てた「三国荘」の再現が目玉展示。

ふたつの展覧会を併せ見れば、モリスと「アーツ&クラフツ」が
世界中のデザインに影響を及ぼした様子が概観できます・・・

と、まとめてみても、残念ながら汐留の展示はすでに終了。

せっかくの2つの展覧会、もっとうまくリンクさせてもよかったのに。

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Sunday, 01 February 2009

ランドスケープ-島尾敏雄展

「ダム」「工場萌え」「東京鉄塔」「恋する水門」「ジャンクション」

以上はみんな、2007年に発行された写真集。
「ドボク萌え」がブレイクした年といえましょう。
2008年6月には、武蔵野美術大学で「ドボク・サミット」も行われたよし。

翻って、現在東京都写真美術館で開催中の展覧会、柴田敏雄「ランドスケープ」

被写体はダムや土砂崩れ防止のコンクリートなどの、まさしく「ドボク」なのですが、
そこに向けられた視線は、明らかに「萌え」とは一線を画します。
とくに、山肌に張り付いたコンクリートの写真は、傷口のように痛々しい。
同時に、意図されざる造形美も浮かび上がります。

それにしても、タイトルが地名だけなのはちょっと不親切。
何を目的に造られた「ドボク」なのかわからない写真も多くて、欲求不満が残りました。



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Monday, 12 January 2009

ART @ AGNES ファイナル

神楽坂の隠れ家ホテル「アグネス ホテル アンド アパートメンツ 東京」
舞台とするアートフェア、「ART@AGNES」が今年で最終回を迎えました。

厳しい審査を経て選ばれた精鋭のギャラリーが、
それぞれホテルの客室を使って展示を競うこのフェア。

年を追って参加ギャラリーの質・量が上がってきただけでなく、
入場を予約制にするなど、混雑緩和の工夫も凝らされて
どんどんグレードアップしていたのに、少し残念です。

何より、京都や名古屋など、地方都市からの出展も含め、
これだけのギャラリー(今回は32!)の個性に
一度に触れられる機会がなくなるのは惜しい!

最近は、「アートフェア東京」もあるとはいえ、
ホワイトキューブより住宅に近い展示、
ホテルゆえの、独特の親密感には代え難いように思います。
来場者とギャラリストやアーティストとの交流も、生まれやすいんですよね。

私は最終日の昼頃に駆け足で回ってきたのですが、
各ギャラリーの展示手法にもいっそう磨きがかかって、
とても見応えがありました。

欲しい作品もたくさんあった・・・。
特に今回は、多くの人に親しみやすく、なおかつ
値段的にも、住まいに飾るにも手頃な作品が多かったように思います。

案内状によれば、来年以降は

「『ART@AGNES』を母体としながら別のかたちで展開し、
ますます活気づいてくるアートシーンをサポートしていく予定」とのこと。

今後の展開に期待しています。

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Thursday, 09 October 2008

Akasaka Art Flower 08

赤坂に住んでいる私でさえ、
「何やってるのかな」ぐらいに見過ごしていたAkasaka Art Flower 08

駅のコンコースに「赤坂の街が美術館になる」
というコピーが踊っていたのですが、
どこで何をやっているのか、今いちピンとこなかった。
ちゃんと広報されているんでしょうか。

とはいえ、アートを執筆ジャンルのひとつに挙げているくせに、
地元のイベントを「見ませんでした」ではすまされません。
気がついたら終了間際というので、慌てて回ってきました。


展示会場は7ヶ所。

今年開業した「赤坂サカス」と、去年開業した「東京ミッドタウン」。
今は使われていない「旧赤坂小学校」「料亭島崎」「旧赤坂図書館」。

時代の裏表を象徴するような「新築」と「廃墟」。
意図してやってるのか(違うような気がする)、あまりにシニカルな対比です。

「サカス」と「ミッドタウン」の展示は草間彌生。
廃墟は、ポップな若手アーティストたちが彩ります。
どれも楽しめる作品だけれど、
こないだ直島で「家プロジェクト」を見てきたばっかりなので、、、

ほか、赤坂氷川神社でオノ・ヨーコが平和を祈り、
赤坂五通り商店街に椿昇のインコが出現。

Image276_2


会期は10月13日まで。
連休中の赤坂は、アート巡りの人でごったがえすか!?

ワタクシは、横浜(トリエンナーレ)に逃げる予定です。

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Saturday, 17 May 2008

柳宗理展@広島市現代美術館

取材で広島に来たついでに、
広島市現代美術館で開催中の
「柳宗理~手から生まれるかたち~」を見に行きました。

柳展は最近どこかで見たな、と思っていたら、
去年の初春、東京近代美術館で行われた展覧会の巡回らしい。

ということは、出品作品や構成はほぼ同じなのでしょう。
(よく覚えてないけど)

が、会場が違うと雰囲気はずいぶん違う。

近美ではギャラリー4のみの展示でしたが
広島市現代美術館は1階と地下のギャラリーを使ったゆったりした展示。
平日昼間で観客も少なく、のんびり見ることができました。


改めてキャプションとじっくり照合してみて気付くのは、
50年代にデザインされたものも80年代にデザインされたものも
21世紀に入ってからデザインされたものも、
みんな同列に並んで違和感がなく、
どれも同じように、どこか懐かしい雰囲気を漂わせていること。

それが柳氏の言う「アノニマス(無名性)デザイン」の発露なのでしょうけれど、
でも、その懐かしさを醸し出す、あのえもいわれぬ曲線は、
やはり紛れもなく「柳デザイン」だ、とも思わせるのでした。

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Wednesday, 28 November 2007

SPACE FOR YOUR FUTURE@MOT

space for your future
アートとデザインの遺伝子を組み替える

まるで意味の違う英文タイトルと和文タイトルの、
どちらがキューレーターの本来の意図なのでしょうか。

たぶん前者、と思いたい。
ここで語られるspaceは、日本語には翻訳できないでしょう。

身体や視覚や記憶を通じて体感されるspace、
建築家たちの作品に代表されるわかりやすい「space=空間」
映像の中に立ち現れるヴァーチャルなspace。

その展示のなかに、なぜCMの沢尻エリカ100変化が出てくるのか、
私には今イチよくわからなかったけれど・・・。


「アートとデザインの遺伝子」は果たして「組み替え」ていいものでしょうか。

デザインがアート的になってもいいけど、逆はない、と私は思います。

森美術館の「六本木クロッシング」が前回に比べ
デザイン色を薄め、アート寄りになったのに対し

国立新美術館や東京都現代美術館のような官立ミュージアムが
今更デザインにすり寄るのには、なんだか違和感がある。


でも、展示は単純に楽しめました。

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Monday, 05 November 2007

東京デザイナーズウィーク&デザインタイド

年々膨張していく秋の東京のデザインイベント。

到底全部は見きれないので、
とりあえず資料だけでももらっておこうと、
メイン会場を回ってきました。

数年前は埋め立て地のはずれにコンテナを積んで開催していた
「東京デザイナーズウィーク」。
当時に比べると、良くも悪くも整理されてきたというか・・・

巨大テント会場「100%デザイン」は、
ビッグサイトあたりで行われる見本市みたいな雰囲気。

形態だけは継承されているコンテナ展は、
企業がスポンサーについた学生の展示がほとんどで
「産学協同」といえば聞こえはいいけれど、
お金のかかった学生祭を見せられているようでした。

これで入場料2000円とるなんて、納得いかない・・・。


いっぽうのデザインタイドは、
ほとんどファインアートのようなインスタレーションと、
プロダクトが混在する展示。

あちこちで、外国人デザイナーが
たむろしているのが目立ちました。

デザイナーにとって、日本は儲かる国なんだろうな・・・
などと、考えてしまったことでした。

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Tuesday, 30 October 2007

六本木クロッシング2007@森美術館

日本のコンテンポラリー・アートの、歴史、
のようなもの

第2弾は
六本木クロッシング2007

2004年の第1回展はクロスジャンルで出展作家も多く、
エネルギッシュでにぎやかな展示でしたが、

今回は、キューレーターも作家も絞られて、
ひとりひとりの作品をじっくり見せる構成になっています。

若手作家に限定せず、ベテラン(物故作家もひとり)も視野に入れて
「今見せるべき(チラシより)」アーティストを選んでいるのも前回との違い。

キューレーターの一人・椹木野衣氏は、パネル・ディスカッションで
「“若い”と“新しい”は別」と語っていました。


で、肝心の展示ですが

冨谷悦子の超細密エッチング、できやよいの指スタンプ・ペインティング、
榎忠の鉄鋼部品を集積した都市、原真一の彫刻の「耳」の洪水・・・

どれも見ているだけで気が遠くなるような緻密さ。

改めて

「密度は力だ」

と思い知らされました。

これは以前、ファインアートの作家何人かにインタビューしたとき、
感じたことでもあります。

コンテンポラリー・アートには「アイデア勝負」という印象もあるけれど

多くのアーティストは、アイデアを現実の作品につくりあげるまでに、
とてつもない時間と、手作業を積み重ねている。

「つくりながら、こんなこと思いつかなきゃよかった〜、
と思うこともあります」と打ち明けてくれた人もいました。

その情熱、というか根気には、頭が下がります。

率直に言って、できあがった作品は一歩間違えば無用の長物。
必ずしもお金にならないこと、
ともすれば嘲笑すら買いかねないことに、
信念をもって、膨大な労力をつぎ込める・・・。

もしかすると、その自分のアイデアへの「盲信」こそが
芸術家になれるかなれないかの境目なのかもしれません。

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Tuesday, 16 October 2007

安斎重男@国立新美術館

またしても、予備知識なしで出掛けてノックアウトされてしまいました。

国立新美術館で開催中の展覧会
安齊重男の
“私・写・録(パーソナル フォト アーカイブス)”1970-2006

仕事でライブラリーに行ったついでにふらり、と入ったら、もう出られない。
小1時間でちゃちゃっと見て帰るつもりだったのに・・・。

写真家・安斎重男が36年にわたって撮りためた日本のアート・シーン。
ホワイト・キューブの大きな壁いっぱいに貼り付けられた写真の、
その数と密度に、まず圧倒されます。
そして、そこからたちのぼる何ともいえないパワー。

1970年から始まる年表形式のディスプレイを順に追っていくと
日本の現代美術の歴史ドキュメンタリーを早送りで見るようです。

安斎重男という個人の目から見た歴史だから、
もちろん偏りはあるのですが、
同時に、個人の目を通しているからこそ、
ある一本の軸が通っているようにも感じられます。

個展会場でのオープニングパーティーのスナップのように
ほんとに「パーソナル」な印象の写真もあれば、

テンポラリーなインスタレーションやパフォーマンスなど
記録として貴重な写真も数々。

同時代だけに、
各年の写真に自分の記憶を重ね合わせる
(というか、引きずり出される)楽しみもあります。

今はもうなくなってしまった西武美術館や佐賀町エキジビットスペース、
水戸芸術館や直島コンテンポラリーアートミュージアムが開館した頃
横浜トリエンナーレや越後妻有アートトリエンナーレ。

もちろん発見もたくさんあります。

私にとっては、たとえば
「ダニエル・ビュランは1970年にすでに東京にストライプひいてたのか!」
ってことでした。

もう何年も買わずにすませていた図録も購入。

どうもこのところ、日本のコンテンポラリー・アートの、歴史、
のようなものにつかまっています。

この項続く。

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Friday, 17 August 2007

スキン+ボーンズ@国立新美術館

スキン+ボーンズ。


骨と皮・・・じゃなくて表層と構造、というほどの意味でしょうか?

そういえば、最近、建築家はよく「スキン」という言葉を使いますね。
「ボーンズ」のほうは耳慣れないけれど・・・。

1980年代以降の建築とファッションをパラレルに見せるユニークな展示。
もとはロサンゼルス現代美術館(MOCA)の企画だそうです。

2つのジャンルの共通概念、
「アイデンティティ」「シェルター」「創造的なプロセス」に始まり、
形態を生み出す「幾何学」「ヴォリュームの構築」、
構成の技法として「スキンの構造化」「構築/脱構築/再構築」
「ドレープをつくる・畳む・吊る・はりだす・包む・
プリーツをつける・プリントする・織る」。
そして締め括りに「両者の融合」、

というテーマに沿って、建築とファッションを対比させます。

もっとも、両ジャンルに共通性があると言うには、
作品および出展作家が少ないように思えました。
もう少し厚みがあれば説得力が増したのに。

とはいえ、私にとっては
これまでほとんど知らなかったファッションの展示は驚きの連続。

イマドキのコレクションでは、
アート・パフォーマンスのようなショーが行われているんですねえ。

なかでも、難民や亡命をテーマにしたとされる
トルコ系キプロス人デザイナー・フセイン・チャラヤンの「アフターワーズ」
型紙も完成型も美しいイザベル・トレドの「キャタピラー・ドレス」
建築家エレナ・マンディーニがデザインした「カスタム・ドレス」が
印象に残りました。


会期最終日の会場は、平日午前にかかわらずそこそこの入り。

国立新美術館という場所柄か、客層も老若男女幅広く、
ふつうの建築展とはちょっと違う雰囲気でした。

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Saturday, 11 August 2007

「時光--蔡國強と資生堂」@資生堂ギャラリー

会期が長いとのんびり構えていたら、気付けば終幕が迫っていました(12日まで)。
滑り込みセーフ!

実のところ、外は猛暑だし、所詮小さなギャラリー展だし、
「もう、行かなくてもいいかなあ・・・」と思いかけていたのですが、

結論から言うと、

行って、よかった!!


火薬を用いた大がかりなインスタレーションで知られる、
蔡國強

ずっと気になっているアーティストです。

英字表記はCai Guo-Qiang、
カタカナでは「ツァイ・グオチャン」と書きますが
ご本人は日本語に堪能で(ほぼ10年日本で活動していました)
日本語インタビューでは「さいこくきょう」と発音していました。


彼の作品には、政治的社会的なメッセージがあります。

たとえば、WTCの在りし日、マンハッタンを背景に
小さなキノコ雲をつくって見せたパフォーマンスは
今、制作当時よりさらに、強い象徴性を帯びることになりました。

でも、それよりも何よりも、
数々のプロジェクトを記録した写真が、単純に美しいのです。

その美しさに、惹きつけられていました。


今回の展覧会のメインは、
「絵画に戻りつつある」(「ART iT」vol.11掲載のインタビューによる)と
語る蔡國強が、横浜のBankART NYKで制作した、「火薬ドローイング」です。

火薬を使って描いた、花鳥風月。

炎の痕跡なのに、どこか水墨にも似て、この上なく美しい。


しかも、小展示室で上映されているVTRで、過去のインスタレーション記録
(もちろん巨大な火薬パフォーマンスも!)を見ることができて大満足でした。


さらに、資生堂ギャラリーの最大の特徴である、
高い吹き抜け天井には、
99の金の小舟が、流れるように吊り下げられています。


宙をゆく、舟の行列。

先般の荒木珠奈さんといい、


なぜかこの夏の銀座には、
小さな夢の舟が行き交っています。

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Wednesday, 18 July 2007

荒木珠奈さんの新作@ポーラ ミュージアム アネックス

以前、日経住宅サーチでインタビューした
アーティスト・荒木珠奈さんのインスタレーションが、
現在、銀座で公開されています。

POLA新鋭展2007
「あなたの物語を楽しんで下さい」
(7月29日まで)

キューレーターが付けたタイトルだと思いますが、
荒木さんの作品にぴったり。

彼女は、自分では物語を設定しないそうですが、
作品は、見る人の心の中に物語を喚起する力を持っています。

新作のタイトルは「蛹の舟」(船、だったかもしれない・・・)。
舟も、荒木さんの作品にたびたび登場するモチーフです。

ギャラリーの外の吹き抜けや窓までが
作品の世界に取り込まれているので、
見過ごさないで下さいね。


この展覧会ではもうお一方、
ムラタ有子さんというアーティストの作品が展示されています。

馬をモチーフにした、
静かな色遣いの、
大人の絵本のようなタブローです。

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Tuesday, 12 June 2007

若冲展@京都・相国寺

すでに終わってしまった展覧会の話で恐縮ですが、
京都・相国寺の承天閣美術館で開催された、「若冲展」について少し。

東京では大きく扱われていませんでしたが、
関西では話題を集めていたらしく、
連日入場制限が行われるほどの大入りだったそうです。
若冲ブームもここに極まった感じですね。

私は月曜の午前中に行ったので、すんなり入場はできたのですが、
今回の目玉、「釈迦三尊像」+「動植綵絵」の展示室は、
ガラスケースに十重二十重に人が張り付く大盛況。

時間帯のせいか観客は中高年が多く、平均身長が低いので(笑)
背後からでも覗けなくはないのですが、

30幅揃いの「動植綵絵」は、
どれも上から下まで緻密に描き込まれていて、ものすごい情報量。
それなのに、1点1点じっくり見ることはおろか、
1点の全容を視界に入れることさえ難しいような状況でした。

旅先ゆえ重たい図録を買う気にもなれず、
「絵はがき」で我慢しました・・・(;_;)。


さて、極彩色で描かれた「動植綵絵」。
若冲が「釈迦三尊像」と一緒に相国寺に寄贈したというからには
「山川草木悉皆成仏」を意味しているのでしょうか。

確かに、花鳥はもちろん蝶々や魚類、
たこや貝類までが描かれているのですが
なぜか「動物」は見当たらない。
若冲は犬や猿はもちろん、ゾウや虎も描いていたと思うけど・・・

代わりに目に付くのは、若冲お得意の「鳥類」です。

「鶏」に言及する向きが多いようですが、
私が好きなのは、なんといっても妖艶きわまる「白鳳」。

この色っぽい鳥のイメージ、どこかで見たと思ったら、
手塚治虫の「火の鳥」に一脈通じているのでした(これが言いたかった)。

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Sunday, 22 April 2007

「日本美術が笑う」&「笑い展」@森美術館

森美術館で、GWまで開催中の「2本立て」展覧会。
おすすめです。楽しいです。


1本目「日本美術が笑う」は、展示ケースを
建築家・千葉学さんが担当。

ところどころに「窓」があって、
向こうの展示風景が垣間見える構成が千葉さんらしい。


出品作品は、土偶や埴輪から円空、若沖まで多彩です。

なかでも、絵巻や屏風の展示は
世界に冠たる日本のコミック文化の源流を見る思いでした。

絵巻の時間の流れ方、文字と絵を組み合わせる手法、
平面的なのに躍動的な輪郭線・・・。

映像を使って絵巻全体を流して見せる展示も親切です。


2本目は、「笑い展」。
副題に“現代アートにみる「おかしみ」の事情”とあります。

日本美術の素朴で自然な「笑い」に接したあとで
現代アートを見ると、どうしても
思想性や作為が鼻につく側面もあるけれど、

世界各国からのアーティスト約50人、作品数約200点、
そのどれに共感し「笑える」か、
見る側の意識も試されます。


同時開催(同じ入場券で見られる)の
ジョン・ウッド&ポール・ハリソンのミニ個展も秀逸。

ごくシンプルな映像なのに、なぜか目が離せない。
やっぱり「くすり」と笑いを誘う。
小さな会場が、
ついつい引き込まれてしまった人たちで混み合っていました。

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Sunday, 15 April 2007

異邦人たちのパリ@国立新美術館

会期も終わり近くになって、やっと行ってきました、
国立新美術館の「異邦人たちのパリ1900-2005」
ポンピドー・センターの所蔵作品展です。

上野にオルセー、乃木坂にポンピドー。
フランスは(再びの)文化輸出に熱を入れようというのでしょうか。

しかもこの企画展、
パリで活躍した外国人アーティストの作品を集めたもの。
20世紀、パリは世界の「芸術の都」だったのだ、
ということを改めて思い起こさせよう、という狙い?

けれども、グローバリズムの21世紀、
パリももう、20世紀と同じようには
「芸術の都」であり続けられないでしょう。

企画タイトルこそ、「1900-2005」ですが、
21世紀に制作された作品はたったひとつ、
旧ソ連生まれのズリカ・ブアブデラの「踊ろう」。
(森美術館の「アフリカ・リミックス」にも出てました)。

アルジェリアに育ち、パリで活躍する若い女性アーティストが、
三色旗と同じ配色のスカーフを腰に巻き、
「ラ・マルセイエーズ」に合わせてベリーダンスを踊る、
なまめかしい腰のあたりを写した映像作品です。

同行の友人(♂)はこの映像がいたく気に入ったらしく、
しばらく見入ってました(笑)。

そして出口のショップには、
ポンピドー印の「一筆箋」や「ぽち袋」が(笑)。
誰が企画したのかわかりませんが、
日本文化の逆襲(?)、
ぜひパリの本拠にもお持ち帰りいただきたいものです。


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Friday, 13 April 2007

シンワアートオークション

有楽町で開催されたアートフェア東京の
閉幕と入れ替わるようにして、
銀座では、日本最大手のオークションハウス
シンワアートオークションで、明日開催される
コンテンポラリーオークションの下見会が行われました。

現代美術に絞ったオークションは、今回でやっと3回目とか。
第1回は昨年12月だそうですから、まだ始まったばかりです。

オークションは、フェアに比べると敷居が高く感じられるけれど、
下見会なら潜り込める(?)かもってことで、見物に行って参りました!

出品作品には、ウォーホルやリキテンシュタインのような
物故作家のものもありますが、
ほとんどはバリバリの現役作家のもの。

こういってはなんですが、さすがに
「アートフェア東京」より著名作家が多いです。
広い2フロアに並んだ作品は見応えあり。

キャプションには落札予想価格が書かれていて、
ついつい目を凝らしてしまいます。

「李禹煥60万円〜? やっすいじゃん!」
などと思ってしまった私。
もちろん「今は(笑)」手が出ませんが。

これまでは美術館で見ていたアーティストの作品が、
急に身近に感じられた(?)
楽しい時間でした。

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Tuesday, 10 April 2007

アートフェア東京2007

一昨年は行きそびれた「アートフェア東京」

第二回となる今年は、手ぐすね引いて(?)待ってました。
初日にさっそく潜入。

平日昼間にしては混んでいた、と言っていいのかな。
とはいえ、かなりの割合が「関係者」のようでもあり、
ちょっと微妙な感じでした。
私としては、ゆっくり見られてよかったけれど・・・。


1月に行われたアート@アグネスと違って、
プライマリー(アーティストから直接作品を買い上げる)の
現代美術ギャラリーだけでなく、
ピカソやクレーも扱うセカンダリー・ギャラリーや
古美術のギャラリー、国外のギャラリーも参加しています。

そのせいで、カタログの見開きページに
小出茜(カイカイキキ)による、
素人コミックのような筆致の女子高生の絵、
「リスカ」(「リストカット」の略らしい)と、
紀元前のギリシア風の壺の写真が並んでいたりして、
なかなかシュール。


出展画廊はおよそ100とか。

それを一度に概観できるだけでも
入場料1500円の価値は十分にあります。


しかも、初心のコレクターを意識しているのか、
わりあい手頃な価格の作品を並べる画廊が多く、
「初めてアートを買いたい!」という人に特にお勧め。

実は、単なる偵察のつもりで行った私も、
思わず1点、購入しちゃいました・・・・
ちいさなちいさな、写真作品をひとつ。

こんな比べ方をしてはアーティストに申し訳ないようだけど、
スカート1枚買うより安く、
「衝動買い」も十分にありです。


他方で、東京から世界に発信するフェア、として見ると、
ちょっと物足りなく感じました。

海外のフェアに行ったことがないので、
比べることはできないけれど、

作品そのものも、
日本にはもっとハイレベルなものが
たくさんあるはずじゃないかと思うし・・・。

今出てるのがレベルが低いというわけじゃないのですが、
マーケットへの意識が強く出たのか、
アクがないというか、パワー不足な印象。

会場に漂う雰囲気も、
もっと高級でもいいんじゃないかな、
と思いました。


また、東アジアにおける国際フェアとして考えれば、
中国や韓国のギャラリーにも、もっと出展して欲しい。

韓国のギャラリーは1店だけでしたが、
実は、私にとって、すべての出展の中で
いちばん印象に残った展示でした。


まだまだ生まれたばかりのイベント。
今後は毎年4月の開催になるとのことです。
来年までには、もっと予算を用意しておこうっと。

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Sunday, 25 March 2007

「ashes and snow」@お台場

ついに、坂茂設計による仮設建築、
「ノマディック美術館」がお台場に登場しました。

展示されるのは
たったひとつのプロジェクト、けれど壮大な作品、
グレゴリー・コルベールのashes and snow
大型の写真100点以上と、
長編映像1本、短編2本で構成されています。

インドやエジプト、ナミビア、ケニアなどの
大自然(ときには遺跡)の中で繰り広げられるのは、
人間と動物があたりまえのように交流する情景。

人間も自然の一部なのだ、ということを
改めて想起させられます。

その、人間の姿の美しいことといったら・・・。


「全ての作品はアーティストがレンズを通して見たもの、
そのもの(パンフレットより)」だそうですが、

作為なしで撮れる映像ではありえないし、
どこまでを意図し、どんなふうにつくられたのかにも
興味をそそられました。


仮設建築も、迫力十分です。
夜景がまた、美しい。


ただ、コンテナを積んで
その間に幕を張っただけの建物なので
館内はしんしんと冷えます。
今日のような暖かい日でも、
映像を見ている間に身体が冷え切ってしまいました。

これから行かれる方は、
陽気がいいからといって油断せず、
ストールなどを一枚、余分に
お持ちになることをおすすめします。

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Friday, 23 March 2007

「バブルに沸く美術市場」(「クーリエ・ジャポン」2007年3月15日号)

創刊時には期待したものの、
どうも惹かれる特集がなく、
これまでほとんど買ってなかった「クーリエ・ジャポン」

最新号はアート市場特集だったので、迷わず購入しました。

現代アートに関する海外メディアの記事が5本。

中でも、世界的なマーケットの過熱ぶりを伝えてくれるのが、
冒頭の「フィナンシャル・タイムズ(UK)」の記事です。
株式市場と比較したり、価格操作の手口を予想したりと、
さすが経済紙。

記事は、07年も「(美術)ブームはさらに加速し、
かつてない規模になるでしょう」という
ディーラーの言葉で結ばれています。

アートにとって、マーケットが活性化するのは
基本的にはいいことだろうけど、

「アーティストではなく、
マーケットが主導権を握るようになっては、
おもしろいアートが生まれにくい」
と語ったギャラリストもいました。

難しいところですねえ。

国内でも、アート市場は急成長中。

1月に神楽坂のアグネスホテルで行われたフェア
「アート@アグネス」は、プレオープンでもすごい熱気でしたし、
4月にはまた、アートフェア東京も開催予定。

今までなかった、コンテンポラリー専門のオークションにも、
今年に入って2社が取り組んでいます。

「美術手帖」の最新号もアートマーケット特集。

これが一過性のブームに終わることなく、
成熟したマーケットが育つといいですね。

私もひとつ、買おうかな!

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Sunday, 11 March 2007

オルセー美術館展@東京都美術館

ひさしぶりに「トビカン」に行きました。
東京文化会館と同じ、前川國男設計。

好きな建物ですが、新しい美術館に比べると、
天井は低いし、バリアは多いし。
国立新美術館が求められたのも、むべなるかな、です。

企画展は、「オルセー美術館展」
年代順や「イズム」別ではなく、
主題別展示というのが新趣向ですね。

基礎知識が浸透していて、主題がわかりやすい、
19世紀西欧美術ならではの企画、かもしれません。

森美術館や現代美術館あたりの企画展に比べると
ちょっぴり物足りない気もしましたが、
さらっと流して一時間で一周できるぐらい。
ほんとはこのぐらいが、ちょうどいいのかな。

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Tuesday, 06 February 2007

国立新美術館開館記念展

黒川紀章設計の「国立新美術館」に行ってきました。

自らはコレクションを持たない
「ハコ貸し」専門館とのことで、
巨大な建物の中にいくつもの展示室が並ぶ構成は
美術館というより見本市会場みたいです。

その開館記念展は、
日本中の美術館から作品を借り集め
だだっぴろい展示室を埋めることが、
まず大命題だったのでは、と推測されます。

タイトルは、
「20世紀美術探検
ーアーティストたちの三つの冒険物語ー」
と、
これだけではなんのことだかよくわかりませんが、
会場案内をよく読むと、

「物質の時代」と言われた20世紀、
アートは「物」とどのように対峙したか、

ということのようです。

このテーマを考えた人は、すごい。

静物画からプロダクトまで、
なんだって取り込めちゃいます。

作品数500点以上、ってことで、
2時間かけても1点当たり14.4秒
という計算をしたのは同行の友人。

14秒ってけっこう長いよ、と思いましたが、
2時間半みてもやっぱり足りなかった。

とくに最後の「第三部」現代作家六人の新作・近作は
もっとじっくり見たかった・・・と思います。
これはもう、21世紀。

やっぱり、アートはcontemporaryが一番おもしろい!
ということを再認識しました。

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Monday, 22 January 2007

金継ぎ

「きんつぎ」と読みます。

割れたりひびが入ったりした陶磁器を漆で修復し、
その上から金粉で化粧して、あえて傷跡を目立たせる、
日本古来の修復法です。

そこには、不作為の破損によって生じる
新しい「景色」を楽しむという、独特の感性があります。

この手法を用いて、世界各国で建築や日用品を直して歩く、
「修復と再生」というプロジェクトに取り組んでいるアーティストがいます。
もとみやかをるさん。

彼女のワークショップが横浜のBankART1929で開催されるというので、
覗きに行ってきました。

割れ物を持参して自分で金継ぎしてみるという
ワークショップだったのですが、
事前のリサーチ不足と時間不足により、実践はならず。
授業中ゆえ、話ができたのもほんの一言二言だけ。

もとみやさんが「金継ぎ」を知った契機は、
茶道にあったそうです。

傷さえも美に転じる発想。

しかし、ここまでの美学には至らずとも、
かつて日本には、
おのずからリユース・リサイクルの伝統がありました。

鍋が傷んだら鋳掛け(いかけ)、
茶碗が割れたら繕い(つくろい)、
裂けた着物は掛け接ぎ(かけはぎ)・・・。

障子の破れ目に、
桜花や紅葉のかたちに切り抜いた紙を貼り付けたり。

今、そんな伝統を
見直すべき時期にきている気がしてなりません。

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Sunday, 21 January 2007

The Vehicle

「生活(住まい)にアートを!」は、私のテーマのひとつ。
(全然実践できてないけど。)

ぴったりなコンセプトで活動する
アーティストユニットに出会いました。

「芸術は家庭から」、The Vehicle
現在、OZONEのリビングデザインギャラリーで「A LDK」展
が開催されています(1/30まで)。

その作品はノスタルジックで、ちょっぴり(かなり?)シニカル。

70年代を彷彿する家電カバー「しらかば」もおもしろいけれど、
私が思わず笑ってしまったのは
「テレビリモコン置き」パトリックでした。

リモコンを預かって、ずっと座って待っていてくれる、
金髪のマネキン青年です。

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Friday, 25 August 2006

越後妻有アートトリエンナーレ2006

2日ほど夏休みをとって、
越後妻有アートトリエンナーレに出かけてきました。

330あるというアート作品が広大なエリアに点在しているので
とうてい全部を見て回れるようなものではありませんが、

アートという目的につられて、里山を巡ることにこそ
意味があったように思います。

関東周辺の、杉ばっかりの山林とはひと味違う、
バラエティに富んだ植生の山。
小さな平地も見逃さず耕された美しい棚田。

点在する民家は、雪深さを反映して背が高く、

そのせいもあって、
私にとって見慣れた西日本の田舎とは印象の異なる風景です。

日本全国、都市部はどこも同じような景色になってしまいましたが、
ここには確かに「地域色」がある。

アートが、この地域色の存続を助ける力になればいいのですが。

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Sunday, 02 July 2006

フルーツ・バスケット

ジャスパー・モリソン&深澤直人キューレーションによる
スーパーノーマル展』を見に行きました。
2人のデザインや、アレッシイ、無印良品などのプロダクトと一緒に、
懐かしい木製の使い捨てアイスクリームスプーンやガラスの牛乳瓶、
おなじみの食卓塩容器やNTカッターが並んでいるのが面白い。
意外なほどの盛況でした。

で、アクシスまで行ったついでに、リビング・モティーフにてお買いもの。
朝食の果物を入れておくために探していたバスケット、
デザイナーはデンマークのオーレ・パルスビー。
ステンレス製です。たっぷり入りそう。

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